塾に行けなかった。それが、すべての始まりだった。

GAKU
灘高・東大大学院卒。塾も予備校も使わず、独学だけで合格した。

その勉強法を、そのまま書いている。
再現性にこだわった情報だけを出す。

灘高受験・東大受験・中学受験・きのくに。
どれも一次情報しか書かない。

塾に通ったことがない。

小6の1年間だけ、大手進学塾の門をくぐった。それ以外の時間は、ずっと一人で机に向かっていた。中学受験も、高校受験も、大学受験も。

結果だけ言う。中学受験で関西の難関6校に合格した。高校は灘高に入った。大学は東大に進んだ。

「才能があったんでしょう」と言われることがある。「裕福な家庭だったんでしょう」と言われることもある。どちらも違う。

この記事では、なぜ独学の道を歩むことになったのか、その理由と背景を正直に話す。


目次

独学の道を歩んだ理由

理由は、大きく3つある。

① 家庭の方針——自立・自学を重んじる父

父は教育者だった。

子育てに一つだけ強い信念を持っていた。「自分で考え、自分で動く人間に育てる」。これだけだ。

だから、何かあっても答えを教えてくれなかった。代わりに本を買ってくれた。図鑑を買ってくれた。「これを読め」とは言わない。ただ、本棚に並べておく。あとは私が勝手に手を伸ばす。

塾という選択肢は、父の哲学と合わなかった。他人に教わるのではなく、自分で考えて掴み取る。その力こそが本物だと父は信じていた。私もそう思っている。

習い事もほとんどなかった。おもちゃも与えられなかった。代わりにあったのは、本と、自然と、時間だった。

② 距離の問題——往復3〜4時間の通学

中学は私立だった。往復3時間以上かかった。

高校は灘高だ。さらに遠い。往復4時間近くかかった。

電車を乗り継ぎ、乗り継ぎ、また乗り継ぐ。その時間を「無駄だ」と思ったことは一度もない。むしろ、電車の中が最高の勉強部屋だった。揺れる車内でノートを広げ、単語カードをめくり、頭の中で問題を解いた。

これだけ通学に時間がかかれば、放課後に塾へ寄ることは物理的に難しい。毎日2時間、家に帰るだけで疲弊する。そこから塾に行けば、睡眠も体力も削られる。

だから電車の中で完結させた。学校の往復が、そのまま学習時間になった。

③ 価値観の問題——父が選んだ教育費の使い道

父は価値観が明確な人だった。

自分の信念に基づいて仕事ができれば、それでいい。お金よりも大切なものがある。そういう生き方をしていた。

父にとって「教育費」とは、塾でも習い事でもなく、本・図鑑・教材の3つだった。娯楽費はほぼゼロだったが、本の棚はどんどん増えた。子どもが読みたいと言えば、どんな本でも買ってくれた。

塾に行かなかったのは、お金の問題というより、父の哲学の問題だったと今は思っている。他人に教わるより、自分で考えて掴み取る。その力こそが本物だという信念が、塾という選択肢を最初から外していた。


親の子育てで良かった3つのこと

① 本と図鑑を惜しみなく買ってくれた

私は朝から晩まで、図鑑や本のページをめくっていた。

昆虫図鑑、動物図鑑、宇宙の本、歴史の百科事典。出てきた知識を全部吸収しようとした。知らないことが出てきたら、別の本で調べた。調べたらまた疑問が生まれる。その繰り返しだった。

「自分で調べて考える」癖は、この習慣から生まれた。塾では手に入らない力だと思っている。

② おもちゃを与えなかった

与えられたおもちゃは将棋だけだ。いとこからレゴを譲り受けたので、既製品のおもちゃはその2つだけ。テレビもゲームもDVDも、家にはなかった。

当時は物足りないとは思わなかった。

気が散るものがないから、勉強するときは勉強だけに集中できた。読書するときは読書だけだった。「何もない」ことが、集中力を育てた。

③ 自然の中で育ててくれた

日曜日は登山の日だった。

0歳の頃から、毎週欠かさず続けた。父の山行記録を後から見ると、雨の日も雪の日も登っている。自分でも驚く。

夏休みは毎週3連休をとって、信州や紀伊半島の山奥でキャンプをした。川で遊び、火を起こし、星を見た。

今振り返ると、独学で長い道のりを歩んでこられたのは、登山で精神を鍛えたからだと思っている。山は言い訳を聞いてくれない。登るか、引き返すか。その二択だけがある。受験も同じだった。


塾に行けなかったことは、不利だったのか

よく聞かれる。

正直に言う。不利な面もあった。情報が入ってこない。模試の機会が少ない。周りのペースがわからない。そういう孤独はあった。

しかしそれ以上に、得たものがあった。

自分で考える力。自分で計画を立てる力。誰かに頼らずに前進する力。これらは塾では教えてくれない。教えてもらえるものではなく、自分で経験を積む中で育つものだ。

独学は孤独だが、自由だ。自分のペースで、自分が面白いと思う方向へ、どこまでも進んでいける。その楽しさを知ってしまったら、もう後には戻れない。

塾に行けなかったことが、私を作った。そう思っている。


独学に挑戦する人へ

このブログを読んでいる人の中に、塾に通わない選択をしている人がいるかもしれない。家庭の方針かもしれない。距離の問題かもしれない。あるいは、自分の力で進みたいという意志かもしれない。

伝えたいことは一つだ。

独学でも、本物の力はつく。正しい教材を選んで、毎日積み重ねる。それだけでいい。

私がその証拠だ。

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この記事を書いた人

灘高・東大大学院。塾も予備校も使わず、独学だけで合格した。
数学オリンピック2回受賞。

灘受験・中学受験・きのくに。
一次情報だけを書いている。

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