【灘・開成】独学で合格した僕が、本当に必要な勉強戦略をまとめて話す【灘高受験】

はじめに:この記事を書いた理由
読者からのお便りが増えてきた。
「どこから手をつければいいかわからない」 「塾なしでも本当に受かりますか」 「英語が全然できないんですが……」
そのたびに個別に返してきたけれど、そろそろ一度まとめて書いておこうと思った。
僕は塾に通わず、完全な独学で灘高校と東京大学に合格した。 数学オリンピックでは2度本選を経験している。
ただ、順風満帆だったわけではない。中学受験で第一志望に合格したものの、勉強を強制させる雰囲気が肌に合わず、その学校を途中で辞めた。英語は中学1年からゼロでスタートした。国語は読書量だけは誰にも負けなかったのに、試験では点が取れなかった。
そういう経験があるから、「どうすれば独学で突破できるか」については、かなり具体的に話せる。
この記事では、灘高受験に必要な勉強戦略を教科別にまとめた。各教科の詳細記事へのリンクも載せているので、自分の弱点に合わせて読み進めてほしい。
まず知っておくべきこと:灘高受験の現実
灘高校の高校入試は、日本で最も難しい高校入試のひとつだ。
中学から進学する内部生が約180人いる中で、外部から入れるのは約40人。しかも受験生の層が独特で、帰国子女・数学オリンピック経験者・他の難関私立中の生徒が混在している。
ただ、だからといって絶望する必要はない。
灘高受験で合格を左右するのは、正しい教材選びと、それをやり切る意志だ。
塾に通わなくても、良質な市販教材を信じてやり抜けば合格水準には達する。それが僕自身の経験から言えることだ。
時期別ロードマップ:いつまでに何を終わらせるか
独学で最も迷うのは「ペース配分」だ。何をどこまでやればいいか、基準がないと不安になる。
僕自身が意識していたマイルストーンと、受験生におすすめしたい目安を示しておく。なお、英語・数学はこの目安より半年以上前倒しの意気込みで進めると安心だ。
| 時期 | 目標 |
|---|---|
| 中2の3月まで | 中学全範囲の標準レベルを一通り習得する |
| 中3の7月まで | 高校全範囲の基礎〜標準レベルを学習し終える |
| 中3の夏以降 | 過去問・実践演習に移行し、弱点を潰していく |
「やり込む」とはどういうことか、基準も書いておく。たとえば数学の『高校への数学』シリーズは、1周解いて終わりではない。3周以上して初めて「やった」と言える。教材の反復こそが独学の肝だ。


【英語】合否の分かれ目になる科目
灘高受験において、英語は最も合否を左右する科目だと断言していい。
数学が得意な受験生が多い中、英語で差をつけられるかどうかが勝負の分かれ目になる。問題の難易度は高校受験の範囲を大きく超えており、大学受験生でも手こずるレベルだ。
加えて、受験生の中に帰国子女が一定数いる。海外経験のある彼らと同じ土俵で戦うのは、正直なところ不利だ。
ただ、「帰国子女がいるから無理」とあきらめる必要はない。
僕自身、海外経験はゼロだった。英語を本格的に始めたのは中学1年生の4月からだ。それでも、灘高の英語入試で学年2位の成績が取れた。
カギは何だったか。語彙と文法を固めたうえで、長文読解をひたすら反復したことだ。このとき大事なのが「速さ」の意識で、毎回ストップウォッチで時間を測りながら解いていた。灘高の英語は時間との戦いでもある。速読の訓練を意識的に積み重ねてほしい。
詳しい教材と勉強法はこちら


【数学】得点源にできる科目
灘高受験において、数学は最も差がつく科目だ。
難しいことは難しい。しかし、難問が解けるかどうかより、標準〜応用レベルを取りこぼさないことの方がよほど重要だ。
使う教材は東京出版の「高校への数学」シリーズが中心になる。『日々のハイレベル演習』は中1から取り組み始め、3周以上やり込んでほしい。余裕があれば数学オリンピックの教材にも手を出してみるといい。数学が楽しくなるし、難問への耐性がつく。
先取りについては、青チャートの数学1A・2Bを「例題だけ」でいいので解いておくことをすすめる。全部やろうとすると時間が足りなくなるので、例題に絞って基礎を固めることが優先だ。先取りの目的は入試合格より、灘高に入ってからの授業についていくためだと思っておくといい。
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【国語】現代文は守る。古文で稼ぐ
灘高志望者の多くは、理数系が得意で国語が苦手だ。
僕も同じだった。幼い頃から本や図鑑を読み続け、読書量だけは相当なものだったはずなのに、模試の現代文では安定して点が取れなかった。
ある時期から「現代文で大きく上積みするのは難しい」と判断した。その代わり、古文に集中した。
灘高の国語入試には、高校レベルの古文が出題される。これは他の受験生が準備をさぼりがちな部分でもある。古文単語と基本文法を、たとえば『マドンナ古文』シリーズのような大学入試の入門教材で固めておくだけで、他の受験生に対してはっきりとしたアドバンテージが生まれる。
現代文は最低限の失点を防ぐ。古文で点を稼ぐ。この戦略が、理系志望者にとって最も合理的な生存戦略だと今も思っている。
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【理科】確実に取りきる科目
理科は、英数国と比べると素直な問題が多い。
奇をてらった難問よりも、基礎〜応用の知識をしっかり問う出題が中心だ。灘高の入試問題は難しいが良問が多く、良書をやり込めば相当な力がつく。過去問と「最高水準問題集」をひとまわり丁寧に解けば、合格に必要な水準には達する。
理科で大きく差がつく試験ではない分、ここで取りこぼすと痛い。確実に得点できる科目として仕上げておくことが大切だ。
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【社会】灘には出ない。開成志望者向け
灘高の入試に社会は出題されない。
ここでの社会の記事は、開成高校志望者や、将来の大学受験(共通テスト)を見据えた人向けに書いたものだ。灘高一本の人は読まなくていい。
詳しくはこちら

直前期の過ごし方
教科別の対策と並行して、入試直前期の過ごし方も重要だ。
何をいつやるべきか、僕が実際にやったことをそのまま公開している。スケジュールの立て方や、メンタル面の話も含めてまとめた。


灘高を目指すなら、読んでおいてほしい本
勉強法や教材と同じくらい、モチベーションの維持は重要だ。
受験は長期戦で、どこかで折れそうになる瞬間が必ず来る。そういうときに支えになるのは、志望校への本物の憧れだ。
灘高について書かれた本、灘高出身者が書いた本を読んでほしい。それが「なぜ灘高なのか」を自分の言葉で答えられる力につながる。

次に読むべき記事
【英語・実績】灘高入試英語で学年2位を取るまで
英語に関してもう1本、読んでほしい記事がある。中学1年でゼロから英語を始め、灘高入試で学年2位を取るまでの3年間の記録だ。何をやったか、どう変わったか、全部書いた。

【灘高進学後】灘高の内部事情
合格した後のことも知っておいた方がいい。校内順位・進学先・通塾状況・授業の実態を、卒業生の立場から正直に書いた。志望校選びの判断材料にしてほしい。

おわりに
独学で灘高を目指すことは、決して無謀ではない。
ただし、正しい教材を選び、やり切る必要がある。「なんとなく勉強している」では、この水準の入試には通用しない。一方で、方針さえ固まればやることはシンプルだ。
この記事と各詳細記事を参考に、自分の弱点から手をつけてほしい。疑問や相談があれば、コメントやメールで気軽に送ってほしい。できる範囲で答えていく。





コメント
コメント一覧 (7件)
質問です。
現在、中学2年生で、今年に入り灘高受験を決意しました。入試まであと1年強です。
関西のとある大手進学塾に通っており、
そこで2か月に1度ある公開テストでは偏差値71、2程度、30位以内の成績です。
クラスは最難関私立(灘を除く)、公立トップを目指すクラスに在籍しており、
2月からは最難関私立(灘を含む)を目指すクラスに編入しようと考えています。
予習状況
灘高受験を決意したのが最近ということもあり、あまり進んでいません。
数学:2次の関数y=ax^2終了
英語:中2内容終了
理科:中2内容終了
最高水準特進問題集を使用して自宅学習を進めています。もうすぐ高校への数学シリーズなど、ガク先生がおすすめしている問題集を購入する予定です。
今後どのように勉強を進めていけばよいでしょうか。
数学 図形はあまりだが方程式、関数が得意
英語 長文は得意、文法はそこそこ
国語 現代文は得意だが古文が苦手
また部活(大幅に時間を取られる)はやめて勉強に時間を割いたほうが良いでしょうか。
▼灘高合格のための勉強方針
灘高は英語を攻略できるかどうかが合否の分かれ目になります。
私がこれまでにアドバイスした受験生をみると、数学が得意な人が多く、国語は多くの受験生が苦戦している印象を受けます。
私からは以下のようにご提案差し上げます。
勉強方針(中2の3月まで)
英語:中学全範囲の標準レベルを3月までに一通り習得する
数学:中学全範囲の標準レベルを3月までに一通り習得する
国語:あまりしなくて良い(数学、英語の予習を優先する)
理科:あまりしなくて良い(数学、英語の予習を優先する)
勉強方針(中3の7月まで)
英語:高校全範囲の基礎〜標準レベルを一通り学習する
数学:「高校への数学 ハイレベル演習」その他教材に着手する
国語:サイトで紹介している古文教材(たとえばマドンナシリーズ)を通読する
理科:サイトで紹介している発展教材(難関○校の理科○年)に取り組む
▼部活について
ご自身の判断でお決めください。灘高受験の本気度によります。
部活で得られるものはたくさんあると思います。どちらを優先するかはお任せします。
ただ一つ、灘高受験では寸分を惜しんで必死に勉強しているライバルが多いことをお伝えしておきます。
以上、ご参考になりましたら幸いです。
灘高受験、頑張ってください。心より応援しております。
返信ありがとうございます
また、起業おめでとうございます
あれから予習を進めまして、数学は中学範囲は応用までだいたい固まりました。
英語も記事で紹介されていた教材を使い、高校内容の基礎もでき始めました。
2科目とも問題演習を通して手応えを感じています。
灘高クラスにも編入し、模試も1桁まで順位を上げることができました。
ところで数学に関する質問なのですが、
高校数学に着手し始めるか、中学数学を固めていくべきかどちらが良いと思いますか?
ありがとうございます。
順調に進んでいますね。素晴らしいです。この調子で英語の速読力も身につければ十分でしょう。
東京出版(高校への数学)の「ハイレベル演習」は解きましたか?良問が多く収録されているため、演習効果が高いです。レベルも灘高受験者に最適です。私は3周以上しました。
時間があれば同時並行で、青チャートの数学1Aを買って例題(基本レベルだけ)を一通りやってもいいと思います。少し先取りしておくと高校受験内容の理解も進みます。
あとはひたすら英語の速読力を磨いてください。毎回ストップウォッチで測りながら解くと良いです。養成まで少し時間がかかります。
灘高受験応援しています。頑張ってください。
ありがとうございます
頑張ります
日々のハイレベル演習に関する質問です
ハイレベル演習には一日一題ずつ進めていくような形式になっていますが、数周はしたいので、もう少し速いペースで解き進めたいです。ガクさんは一日に何題ほど進められていたのでしょうか?
家に青チャートがあるのですが、どのように使うのが効果的でしょうか。また赤チャートにはどういった違いがあるのですか。