子どもにスマホは持たせるべき?|灘卒東大生が科学的データと家庭の実例から考える

先日、スマホに関する記事をいくつか書いたからでしょうか。読者さまから、こんなご質問をいただきました(一部、手を加えています)。
いつもブログを拝見しています。大変ためになる記事が多く、毎回楽しみにしています。
いま、子どもにスマホを持たせるべきか迷っています。息子は次の春に中学生になります。
ガクさんの意見を聞かせていただけないでしょうか。
スマホですね。難しい問題です。
難しいのには理由があります。ここ数年で、スマホが子どもの脳に与える影響について、大規模な研究データが次々と発表されているからです。「なんとなく心配」というレベルの話ではなくなってきました。この記事では、最新の研究データと、私自身が育った家庭の実例をもとに、正面からお答えします。
結論:私が親なら、持たせません
結論から言います。不要です。私が親なら与えません。
依存性が高いからです。息子さんが中学生ということですが、まだまだアナログの世界の楽しさを堪能してほしいと思っています。岩波少年文庫には中学生向けのシリーズも多数あります。講談社のブルーバックスを開けば、各分野の専門的な内容が一通り吸収できます。スマホで得られる情報とは、質の高さが格段に違います。もう少し、本や書籍でお子様自身の価値観を築いてほしいと思います。
ただ、これは私がアナログ派の家庭で育ったための、極めて慎重・保守的な意見です。最終的にはご家庭で話し合って決めるのがいいと思います。
科学的根拠:スマホと脳発達の関係
「なんとなく良くない気がする」で終わらせず、ここでは具体的なデータを紹介します。
東北大学加齢医学研究所は、仙台市の小中学生7万人を対象に、14年にわたる追跡調査を行っています。3年ごとにMRIで脳の発達を測定し、生活習慣との関係を分析するという、世界的にも類を見ない規模の研究です。
この研究から見えてきたのは、シンプルで重く受け止めるべき結果でした。スマホによるインターネット利用は、週に数日の段階から脳の成長に悪影響が及び、毎日使用する段階になると成長そのものが止まってしまうことが分かっています。つまり、「使い方」の問題ではなく、「使わせること自体」が脳の発達に影響するという結果です。
影響を受けるのは、主に9歳から18歳にかけて発達が著しい前頭前野です。この領域は思考・判断、感情の制御、計画立案を司っており、長時間のスマホ・ゲーム利用は、言語性IQに関連する脳領域の萎縮とも関連が指摘されています。
さらに踏み込んだ調査結果もあります。2年間にわたって生徒一人ひとりの偏差値の変化を追跡したところ、最も成績が向上したのは、最初はスマホを使っていたが翌年度にやめた生徒のグループでした。次に向上したのが、2年間まったく使わなかったグループです。スマホを使い続けたグループは、最も伸びが小さかったという結果が出ています。
もちろん、すべての研究者が同じ立場というわけではありません。発達心理学の研究者からは、デジタル機器そのものが悪いのではなく、子どもがどう関わるかによって影響は変わるという指摘もあります。受動的にテレビを見るよりも、スマホと主体的に関わる方が発達を支えるという研究も存在します。
とはいえ、学習効果という観点に絞れば、東北大の大規模調査が示す結果は重く受け止めるべきだと感じています。中学生という時期は、脳が一番伸びる時期でもあります。その時期にスマホへ時間を奪われることのコストは、想像以上に大きいというのが、データが示す現実です。
幸いなことに、脳には可塑性があります。使用を減らすことで、発達の回復が期待できるという報告もあります。今からでも遅くはありません。
与えるとしたら、何がいい?
私が親だったら、次の方針でモノを与えます。
必要なものは、高品質で長く使えるものを。勉強道具・書籍は予算無制限で。娯楽品は与えないか、安物で十分。
スマホですが、難しいですね。子どもに自己管理力があって、本人が必要だと言うなら、そしてスマホの中毒性に屈しない自信があるなら、高性能なスマホを与えます。そうでなければ与えません。高校生になるまで我慢してもらいます。我慢も大切です。
スマホは勉強道具にもなり得ますが、紙の教材の方が質も充実度も高いです。スマホが役立つのは、海外情報を入手するときくらいだと思っています。
ひとつだけ、これは本当に有用だと思うものがあります。Podcastです。スマホにSpotifyを入れれば、高品質な英語番組が無料で聴けます。Podcastは動画広告が入らないので、音声学習にはうってつけです。
私が親なら、電子辞書を与えます
話が変わりますが、私が親なら電子辞書を与えます。
実際、私も中学生のときに電子辞書を購入しました。最高でした。特に英英辞典が素晴らしかったです。軽くて薄い電子辞書のおかげで、英語の勉強がガンガン進みました。
電子辞書を選ぶなら、英英辞典が複数入っているものがおすすめです。私が使っていたのはシャープのBrainでした。灘の大半の生徒が使っていたのはカシオのエクスワードです。灘でカシオが人気なのは、学校の先生とカシオの担当者が知り合いで、定期的にワークショップが開かれていたからです。シャープでもカシオでも、機能面で大きな差はありません。
それでも、子どもにスマホを与えるとしたら?
冒頭の主張はどこに行ったんだ、と言われそうですが、「与えるとしたら」という仮定で話を進めます。
連絡手段として必要、という場合、私が親なら次の3通りを考えます。
1. 親が使っているスマホをお下がりで渡す
一番現実的です。お金もかかりません。通信が必要なら格安SIMを契約すればよく、家のWi-Fiで十分なら、SIMを抜いて渡すだけでも構いません。しかも親には新しいスマホが入ってきます。みんなハッピーです。
格安SIMを選ぶなら、楽天モバイルが選択肢として有力です。楽天モバイルには12歳以下を対象にした「最強こどもプログラム」と、22歳以下を対象にした「最強青春プログラム」があり、ポイント還元によって実質月額500円台からスマホを持たせることができます。位置情報の確認や、危険なサイトへのアクセス制限機能も用意されているので、防犯面でも安心材料になります。
2. 新品の格安スマホを購入する
新品が欲しいというお子さんも多いと思います。2026年現在、中学生・高校生向けのスマホとして人気が高いのは、iPhone17eやiPhone16eといった、価格を抑えたiPhoneのエントリーモデルです。各キャリアの乗り換えキャンペーンを使うと、月額1円のような価格で手に入ることもあります。
予算をさらに抑えたい場合は、中古スマホという選択肢もあります。ReYuuストアやイオシスといった専門ショップでは、未使用品も含めて状態の良い端末を選べます。型落ちのiPhoneを中古で購入し、格安SIMと組み合わせる方法は、コストパフォーマンスの面で優れています。
3. iPhoneを新規購入する
Apple製品に一度は触れてほしいという気持ちはあります。私はApple信者ではありませんが、Apple製品は美しい。持っているだけで感性が磨かれたように錯覚します。私が最初に手にしたApple製品はiPodでした。次にiPhone7、そしてMacBook Pro。徐々にApple製品が増えていきました。
ただ、正直なところ、iPhoneは高い。買うなら安いAndroidと電子辞書を購入する方が、賢い選択だと今でも思っています。
最後に:私の家庭のスマホ・ネットとの付き合い方
最後に、私の家庭の話をします。
スマホ・ネットとは、ほとんど縁がありません。母のネット使用量は、月に300MBに届くかどうかです。父はそもそもスマホを持っていません。紙の書籍ばかり読んでいます。母はいつも新聞を広げています。内容がどこまで頭に入っているかは、正直なところ不明です。
ネットのない生活って、こんなに幸せなんだなと、帰省するたびに思います。これは本音です。
過去エピソード1:ネットがなくて焦った
灘高受験のとき、ある連絡事項が学校のホームページに掲示されると言われました。私の家庭にはネットが通じていなかったので、地元の図書館まで走ってチェックしました。
過去エピソード2:ケータイがなくて焦った
灘に合格したとき、母親同士の集まりがあったようです。そこで「メアド交換しましょう」と言われたそうですが、私の母は「メアド」の意味がわからず、恥ずかしい思いをしたと言っていました。翌日、慌てて近くの携帯ショップに駆け込みました。私も母も、です。
まとめ
科学的データは、スマホが子どもの脳の発達と学習に与える影響について、はっきりとした傾向を示しています。中学生という大切な時期に、その影響をどう考えるか。
絶対の正解はありません。ただ、データを知った上で選ぶのと、知らずに「みんな持っているから」で選ぶのとでは、その後の納得感が違うはずです。
我が家のように、ネットがほとんどない生活でも、案外なんとかなります。少し不便で、時々焦ることもありますが、それも含めて、悪くない毎日でした。





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