やり遂げる力を磨く 灘出身の家庭教師&和田秀樹の本について
読者様よりご寄稿いただきました。
こちらにご紹介いたします。
思い出 灘出身の家庭教師
すっかり忘れていたが、私は中学生の頃に灘中学出身(その後、地元の県立高校に進学)の大学生に家庭教師をつけてもらっていた。その家庭教師の先生は、現役で某国立大学の医学部に余裕で合格していたらしいが、私はその先生から何か有益なものを引き出せたのだろうか?そうでないのなら、とても惜しいことである。ありきたりの指導を受けたに過ぎない記憶ばかりだが、唯一、印象に残っている言葉は、「A4サイズの問題集ではなく、B5サイズの問題集をやりなさい。」
スーパーの小さな本屋さんでみつけ全教科5冊の問題集を買い揃え、すべてを学習した(と思う)。数十年経った今、どういうわけかそのうちの一冊だけ当時の問題集が手元にあるのだが、タイトルが「最高水準問題集」。子供たちに買ってあげた「最高水準特進問題集」の横に並べて置いてある。その家庭教師の教えは、「教科書ワークではなく、難関私立中向けの問題集をやりなさい」ということだったと理解している。
話を戻すが、私の当時の学力に対して、東大レベルはあまりにも掛け離れていて(と思い込んでいて)、そのギャップを埋める努力を端から放棄していたのかもしれない。先生からすると、「医学部受験を見据えて当たり前のことをやりきるだけですよ。」となるのだろうが、当時中学生の私から見れば、目先の高校受験のことしか頭にないし、出来ることなら楽をしたいというのが本音。
数十年経った今、現在の私が、当時の家庭教師の先生の立場になるのだろうし、子供たちが、当時の私の立場である。辛抱強く、息子の成長を見守っていかなくてはならないなと、つくづく思う。
和田秀樹氏の本
「受験は要領―たとえば、数学は解かずに解答を暗記せよ (ゴマブックス) 」
(記憶違いでなければ)大学受験の頃に読んだ本がこれ。本に倣って「基本英文700選」を暗記しようとしたが、最初のページで挫折したような体たらくぶりである。やはり、自分の学力と東大レベルのギャップは埋められなかった。数十年経過した今、「受験のシンデレラ」を見た。また、ガク氏のご紹介の本「灘校物語」を読んでみた。子供の受験に備え、ギャップを埋めるべく思考してみた。重要なことを書くが、和田秀樹氏の「数学は解かずに解答を暗記せよ」は、「数学は解かずに解答をすぐ見て理解し記憶せよ」と置き換えた方が良いのかもしれない。「数学は解かずに解答を丸暗記せよ」と勘違いする受験生が続出するからだ。
前回の復習であるが、Wikipediaによると、
灘校物語
「灘校物語」で目に留まったワードは以下の通り。
小学生~中学受験
- そろばん教室
- おばちゃん塾
- タブチ塾
- サカグチ塾
灘~大学受験
→得意なところをどんどん伸ばし、どうにもならない分野は捨てるのも有りだということ。
→例文を借りて英作文を仕上げる練習は必要であろう。「和文英訳の修行」という本が紹介されていた。リーディングに関して、弟マサキの学校のテキストである「Progress in English」もやっていたのだろうから、英語は盤石である。
→解答をすぐ見たほうが効率的である。いろいろと難しく考える人はいるかもしれないが、目先の大学受験を考えれば、時間は有限であるので、この考え方は仕方のないところである。学者になるわけではない、とでも考えれば気が楽になるのではないだろうか?(実際のところ、学者になる前には大学受験を突破しなければならない。)
その他
和田秀樹氏を語る時、大学受験のテクニックばかりがフォーカスされるからおかしくなるのだと思う。
灘校物語を読むとわかるが、小学生時代の、塾を転々とするヤダ君の奮闘ぶりは興味深い。それがそのまま大学受験まで絶え間無く続いていた(と捉えることもできる)。灘中を5番で合格し、中だるみがあったにせよ、東大理三合格である。
その他、遺伝のことに言及していた。「遺伝のせい」で成績が上がらないのだと思っていたヤダ君は、大学受験のテクニックを手に入れた後は、「遺伝のせいではなく、ラジオの”ながら勉強”のせいで成績が上がらなかったのだ」と振り返っている。しかし、「ケイジロウは情報収集に熱心だが、勉強の詰めがあまいようだ」のくだりがあるので、一方のヤダ君は、勉強をやり遂げていた、と読者に伝えたいはずである。灘中を1点で泣くも、弟のマサキも、その後に東大に合格しているように、ヤダ兄弟は「『やり遂げる』遺伝子」が存在している、と言えなくもない。以上図解してみた。先天的に「やり遂げる力」が備わっていることが望まれるのだろうが、そうでないにしても、偉人の伝記を読むなどして、そういう力を自分の中に育てないといけないだろうと思う。
やり遂げる力
『牧野富太郎【日本植物学の父】』という本を紹介しようと思います。私が通った大学の授業の一環で、植物の標本を作成していたことがあります。懐かしさのあまり、本を借りて読んでみました。
「物事の一部分や細部に気を取られて、全体を見失うこと。」の意味の諺で、「木を見て森を見ず」というものがありますが、逆に、牧野富太郎氏は、個々の植物を詳細に観察し記録し続けることで、植物全体を理解したような人なのです。当時、図鑑がなかったのですから、そもそも俯瞰しようにもできるはずがありません。そして、その先に『牧野日本植物図鑑』を完成させました。例えていうなら、ヒトゲノムプロジェクトを、ポスドク研究者が一人でやるようなものだったことでしょう。とんでもない人だと思います。
比較するようなものでないかもしれませんが、受験勉強でやるべきテキストが決まっているのなら、その時点で俯瞰できるわけですから、逆算して日程を組み、日々のタスクに落とし込み、日々、完全に学習し尽くす他ありません。やり遂げた先には、きっと合格が待っていることでしょう。『牧野日本植物図鑑』の作成に比べれば、簡単なことかもしれませんよ。
管理人より
続編
続編もご寄稿いただきました。
あわせてご覧ください。
関連書籍
受験は要領シリーズは人気です。
「理科実験は不要だ」との発言が話題を呼んだりもしました(受験に向けた効率化勉強に限って言えば確かに納得いきます)。
当時の私(管理人)は和田秀樹さんの勉強法を大いに参考にしました。効率性を追求するのであれば真似すべきです。
灘校物語は当サイトの多くの読者様も読んでいるようで、感想をメールで送ってくれた方もいます。
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