【寄稿】科学的根拠に基づいた記憶のコツ

ガクさん
サイト運営者
東大院生です。独学で灘・東大に合格しました。数学オリンピックで2回の受賞歴があります。

読者様からご寄稿いただきました。

今回は記憶についてです。

ご自身の子育て経験や私(管理人)の記憶方法にも触れながら、論を進めてくださりました。

こちらに掲載いたします。

*タイトルや小見出しはサイト管理人が勝手につけたものです。修正ありましたら、ご連絡ください。

目次

記憶術|ウォズニアックとエビングハウス

この数週間、学習後の復習のタイミングについて考えていた。これ!という解があるのではないかと期待していたのだが・・・

多くの人が書いているのがこれ。断定的に書かれているようだ。

効果的な復習のタイミング|ウォズニアック
  • ︎ 最初の復習は1~2日後に行う。*
  • ︎ 2回目の復習は * の7日後に行う。**
  • ︎ 3回目の復習は ** の16日後に行う。***
  • ︎ 4回目の復習は *** の35日後に行う。

情報の出所が気になったので調べたみた。ほとんどがDaiGo氏の本の受け売りだと思われた。さらなる出所は、ピョートル・ウォズニアックの論文であった。また、ピョートル・ウォズニアック考え方を発展させた「SuperMemo」「AnkiAndroid, iOS」などのアプリが存在する。目的によっては利用価値は大いにあると思う。

ヘルマン・エビングハウスの忘却曲線もよく知られている理論だろう。ただし「忘却するのは仕方ないよ」「理論通りの日程で気楽に復習すればよい」なんてなことを親子で囁き出したらおしまいだと私は思っている。

図表参考:https://pasokon-kasegu.com/mind/ebbinghaus-memory/

関連書籍

感覚記憶→短期記憶→長期記憶で覚える

受験においては、いかに長期記憶に乗せるかどうかが重要であろう。こんなことは火を見るよりも明らかである。教科によってやり方は違うだろうが、ここでは知識系の教科について考えてみる。

教科書の棒読みをウォズニアックの日程で行う。
キーワードを暗記するべくウォズニアックの日程で穴埋め問題をする。
ウォズニアックの日程を守ることを何より優先する。

これに対して

教科書の内容を意味を理解しながら読む。要約する。図解する。
キーワードを暗記する。キーワードを説明できるようにしておく。
何より仕上げることを優先し、やり遂げるべく必死でやる。

異論を唱えるつもりはないが、日程を守ることはなんら目的ではなく、後者が上位に来る考え方であるべきである。

また、「必死でやる」ことは非科学的な根性論ではない。生死に関わるような状況では、五感をフル回転させて、何がなんでもやり遂げるだろう。そういう経験こそが、長期記憶に移行する一つのメカニズムなのである。ハイレベルな戦略を立て、その戦略に従って必死でやると良い。

(引用)海馬が必要と判断した情報だけが、脳の中の大脳皮質と呼ばれる場所に送られ、長期間保存されます。では、海馬は何を基準に判断を下しているのでしょうか? なんと、それは「生きていくために不可欠かどうか」なんですね。

長期記憶(意味記憶)→長期記憶(エピソード記憶)で記憶を強固に

ガク氏は、長期記憶をさらに意味記憶とエピソード記憶に区別し、意識的に対策をしていたそうだ。

我が家でもラーニングピラミッドの理論に関して何度となく話しあってきたが、実戦となるとかなりハードルが高い。その理由はいくつか考えられるが、これについては、後日まとめることにしよう。

サッカーワールドカップ出場をかけた戦い

以上のことを念頭に、ガク氏の復習タイミングを眺めてみた。

数学の問題一つをとっても、チャンスは4回だ。4回でやり遂げられないのならワールドカップには出場できない。年齢的に次のチャンスは無い。サッカー人生をかけた戦いである。イメージできなければ、他の例でも良いが、模造紙に書いて、壁に貼っておくと良い。

(1次2次予選)  当日(すべて)*
(アジア最終予選) * の3日後(間違えた問題のみ)
(アジアプレーオフ)* の1週間後(すべて)
(大陸間プレーオフ)* の3週間後(間違えた問題のみ)

プロのボーカリストの例

(引用)編集部がプロのボーカリストに確認したところ、100回の練習(3分の曲なら5時間)をぶっ通しで行い、たった1日で歌詞は勿論のこと、曲を完全にマスターしてしまうというのです。

睡眠を挟み、1ヶ月間かけて記憶の整理が行われる。このことに私は異論はない。

しかし、引用の記事を読むに、学習ごとの質の高さと量の多さの重要性を物語っているのだと感じた。学習の初日こそ「その1日だだけで完全にマスターするつもり」でやるべきではないだろうか。でないと、アジア最終予選にも進めなくなるぞ。

余談 必死でやるということ

我が子が中学3年生の頃の話。英検2級の試験日の1週間前にリスニングの対策を投げ出していたのを察して話をしてみたところ、「やるつもりだったシャドーイングが困難で、リスニングの対策は進んでいない。」とのこと。それに対して私は「高額な検定料を支払っているのだから、どうにかしてものにしてくれ!」と私にしては珍しく厳しく諭したのだ。

数ヶ月前から受験の意思を確認し、必要な教材は買い揃え、英作文を指導してくれる師を探し出し、リスンング対策の方法論もディスカッションしてきた。できないにしてもPDCAサイクルを回し、どうにかしてものにしないといけないのだと私は思うわけである。

その後、1週間で20回分の英検リスニングの過去問を実際に解き、間違った箇所、理解できなかった箇所は何度も聞き直していたようだ。結果は合格。

出典 これが正しい復習タイミング

This text is part of: ” Optimization of learning ” by Piotr Wozniak (1990)

1. Each of the pages used in a given stage was memorized in a single session and repeated next day. To avoid confusion note, that in order to simplify further considerations I use the term first repetition to refer to memorization of an item or a group of items. After all, both processes, memorization and relearning, have the same form – answering questions as long as it takes for the number of errors to reach zero.

2. In the stage A (Feb 25 – Mar 16), the third repetition was made in intervals 2, 4, 6, 8 and 10 days for each of the five pages respectively. The observed loss of knowledge after these repetitions was 0, 0, 0, 1, 17 percent respectively. The seven-day interval was chosen to approximate the second quasi-optimal inter-repetition interval separating the second and third repetitions.

3. In the stage B (Mar 20 – Apr 13), the third repetition was made after seven-day intervals whereas the fourth repetitions followed in 6, 8, 11, 13, 16 days for each of the five pages respectively. The observed loss of knowledge amounted to 3, 0, 0, 0, 1 percent. The 16-day interval was chosen to approximate the third quasi-optimal interval. NB: it would be scientifically more valid to repeat the stage B with longer variants of the third interval because the loss of knowledge was little even after the longest of the intervals chosen; however, I was then too eager to see the results of further steps to spend time on repeating the stage B that appeared sufficiently successful (i.e. resulted in good retention)

4. In the stage C (Apr 20 – Jun 21), the third repetitions were made after seven-day intervals, the fourth repetitions after 16-day intervals and the fifth repetitions after intervals of 20, 24, 28, 33 and 38 days. The observed loss of knowledge was 0, 3, 5, 3, 0 percent. The stage C was repeated for longer intervals preceding the fifth repetition (May 31 – Aug 24). The intervals and memory losses were as follows: 32-8%, 35-8%, 39-17%, 44-20%, 51-5% and 60-20%. The 35-day interval was chosen to approximate the fourth quasi-optimal interval.

上の英語は、Piotr Wozniakの論文の一部です。簡略化すると、以下の箇条書きの説明で良いはずなのですが、インターネットに転がっている情報は単にDaiGo氏の受け売りで、多くの人が間違って認識しているようです。

(正)
︎(1) 最初の復習は1~2日後に行う
︎(2) 2回目の復習は(1)の7日後に行う
︎(3) 3回目の復習は(2)の16日後に行う
︎(4) 4回目の復習は(3)35日後に行う

(誤)
(1) 最初の復習は1~2日後に行う
︎(2) 2回目の復習は(1)の7日後に行う
︎(3) 3回目の復習は(1)の16日後に行う
︎(4) 4回目の復習は(1)の35日後に行う

管理人より

文献も明示しながら話を展開してくださり、ありがとうございます。また、私自身の記憶術についても言及してくださり、感謝申し上げます。

私は本記事で紹介されたタイミング(ウォズニアック)よりも早めのペースで進めていました。また、1週間単位で学習計画を立てていたため、私の場合は復習も週ごとに進めていました。大事なことなので記事にまとめようと思いつつ、なかなか手をつけていませんでした。今回、読者様より記憶についてご寄稿いただき、大変助かりました。

私も動画などでまとめて話そうと思っています。

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