【寄稿】入試に向けた勉強方法|試験範囲を網羅するための考え方 (2)
読者様からのご寄稿です。
試験範囲を網羅するための考え方 (2)
無差別にやり尽くす
「範囲はこのテキスト(e.g. 青チャート)です。このテキストから問題を無作為に選定し、入試問題として出題します。例題、エクササイズ、総合問題の区別はありません。解説も隅々読んで理解し全ての問題を解けるようにしておいてください。」入試の募集要項にこのように書かれているはずはありませんが、このような考え方で取り組めば良いのだと考えています。すべての問題をやりきるわけですから、重要問題か否か、学習の優先順位づけ等の議論は些細なことだと考えています。言い換えれば、やると決めたテキストを無差別にやり尽くすことこそ本質だと考えています。(A)
軸に据え補強する
合格するための最低点を超えさえすれば良い、という考えに対しては否定的です。これぞというテキストを軸に据えた上で、それを補強する目的であれば、むしろ周辺の対策も積極的にやって良いと考えています。ただし注意すべき点は、あれもこれもと手を出すことで、一冊足りとも完全制覇できないことです。青チャートとフォーカスゴールドはよく比較されるテキストのようですが、両者の共通する部分を重点的に勉強するぐらいなら、どちらか一つを軸に据え、そのテキストを隅々徹底的にやり尽くす方が得策だと考えているわけです。(B)
あくまでテキストを軸にする
多くの家庭では、塾や学校のカリキュラムに丸投げしていることでしょう。限られた授業時間の中で、先生は繰り返し頻出問題を説明してくれるでしょうから、従順な子はそこそこ成績は伸びますが、それだけではトップ層に到達できないかもしれません。授業でテキストのすべての問題を解説する時間が取れないからです。現実的に塾や学校を頼らざるを得ないにしても、授業ではなくテキストを軸に据え、授業で扱わないような重箱の隅をつつく貪欲さが必要であると考えています。(C)
受験生本人が理解する
余談ですが、現在高校生の息子が中学生の頃、自分専用のiPod touchを買いたいと言ってきました。妻はすごく心配し条件付きで許可をしました。「偏差値が〇〇以上だったら買って良い。ただし偏差値が〇〇以下だったら取り上げる。」との方針だったのですが、私は賛同しつつもその効果に疑問を感じていました。受験生本人に向上心がなければ、成績は低迷したまま、インターネット以外の娯楽に興味を移すだけだからです。そこで私は、その議論からは一定の距離をおきつつ、子供とは常々、勉強法について語り合うことで、本人の意欲を高めるように心がけています。(D)
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今回ご寄稿いただいた読者様は以下の記事も執筆されています。
英検マスターとして具体的なデータも挙げながら、対策方法について詳述されています。
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管理人より
前回に続き素晴らしい記事をご寄稿くださり感謝申し上げます。入試を見据えた勉強の進め方から、娯楽の付き合い方(さらには親子の関係)まで網羅されており、幅広い読者層に参考になることと思います。私も共感しながら拝読しました。中秋の名月に合わせて図を作成していただきました。
余談
ご寄稿いただいた方に個別メールした内容ですが、せっかくなのでこちらにも書いておきます。寄稿本文中でも触れられていた数学教材についてです。
灘高では数学1A2Bはフォーカスゴールドを用いたのち、数学3は青チャート(ワイド版)に移行しました。先生の考えも気になるところですが、真相は不明のままです。他の学年は青チャートが多いようです。個人的には大きな差は感じられませんでした。世間的には青チャートが広く使われていますが、どちらでもお好きな方をご使用ください。
余談2
私は数学の先取り学習として赤チャートを使用しました。中2から数学1A、2Bを進めましたが、難しすぎて挫折の一歩手前でした。赤はやらなくて良いです。理3などの最難関を目指す人も青チャート→大学への数学(東京出版)という流れで進めば十分です。
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