数学を得意教科にする方法
数学を得意教科にする方法
結局のところこれにつきるのかなと思いますが、「で何の役に立つの?」と数学嫌いな人から質問されそうですね。禅問答にならないように、ここはあくまで、受験で勝ち抜くためにどうしたら良いかに焦点をあててみます。
- ゲーム性を持たせる。
- 目の前の作業に没頭してみる。
- 実学の基礎として考える。
- 数学そのものを好きになる。
1. ゲーム性を持たせる。
「試験範囲を理解していること」と「試験時間内に解答できること」は別物でしょう。鯔のつまり、入試というものは「解放を思いつくまでの時間」を競い合うゲームだと考えることができます。早押しクイズのボタンをイメージして、卓上式のストップウォッチを探してみました。「ピンポーン」と音が出るわけではなさそうですが、良いものがみつかりました。
余談ですが、私は職場で電話が鳴った時には、速攻で受話器を取るようにしています。遅かれ誰かがやらないといけない性質のものですが、私は義務感でやっているというよりは、ゲーム感覚でやるようにしています。その方が精神的に楽だからです。私は3本の指に入る早さです。まぁどうでも良い話ですが・・・
ガク氏談:「数学のミスはどのようなタイプか調べると良いかと思います。単純な計算ミスなのか、解法を組み立てる上での方針誤りなのか、条件の見落としなのか…。テストでミスする場合は、普段の演習中でも同様の誤りをしているはずです。焦りや不安も大きなファクターですので、私は問題演習の際に秒単位まで解答時間を測るなどして負荷をかけました。この方が集中力も増して良かったです。また、復習の際は時間節約のために解法を思いつくかどうかに焦点を当てるのも有効です。常にストップウォッチ片手に問題に取り組むのです。学問としてではなく、受験を意識した手法ですが効果がありました。メリハリがついて学習意欲も減衰することがなかったです。」
2. 目の前の作業に没頭してみる。
足し算から始まって、掛け算割り算・・・微分積分まで進もうとも、解法パターンを教われば、あとは問題を解きまくるだけ、という側面はあると思います。小学校の頃にやったかもしれない、KUM*N、*研教室、そろばん教室、E*Cジュニア・・・の延長でしょうか。「何かに役に立つの?」などと考えてはいけません。目の前のことに集中するのです。網羅系テキストを一冊やり遂げる際に最初は苦痛を伴うにしても、まずはテキストの半分、その次はそのさらに半分、などと目標を決めてやり続けるうちに、指数関数的にみるみる片付いていくものです。フロー状態になればしめたもの。ジグソーパズルのようで爽快ですよね。
ガク氏談:「パズルのたとえ話は日常のタスク管理にも通用すると感じました。私は中学生の頃から、その日にすべき内容を紙に列挙して書いておき、終わった順に取り消し線を引いていました。タスクを消去する瞬間は極めて爽快で、順調に進んだ日は夕食がますます美味しく感じたのを覚えています。」
3. 実学の基礎として考える。
物理学の基礎としては当然ですし、実学の基礎でもあります。名前の通り、計算機工学・計算機科学の基礎として、また、医学系で統計学は必須でしょうから、それらの基礎としての数学なのです。今後のキャリアを豊かにするためにも、こういう考え方はあって良いと思いますし、そのことに気づくことで、受験数学が好きになる人もいることでしょう。
数学で犯罪を解決する 単行本 – 2008/4/11
キース・デブリン (著), ゲーリー・ローデン (著), 山形 浩生 (翻訳), 守岡 桜 (翻訳)
余談 リアルタイムPCR
巷でよく耳にするPCR。一般人でPCRの原理を理解している人はほとんどいないでしょう。今回はさらに踏み込んで、リアルタイムPCR
参照(専門的です) https://www.thermofisher.com/blog/learning-at-the-bench/qpcr-basic37/
興味がある人は、参照webサイトを見ていただくとして、解析は数学的要素満載で、微積の要素も含まれているはずです。医者やアカデミアの研究者と称する人たちでも、この説明を見て「なるほど!」と興味深く読める人は3割ぐらいでしょうか。興味すらないという人たちもいるとは思いますが、難関大学入試を突破してきた人たちなので、この程度の説明は理解できるはずですね。そして、本来なら、原理を理解した上での、診断云々なのかなと思ったりします。10年ぐらい前、立派な解析装置を前に、知り合いの若手の医者(当時)が言っていましたが、医者というのは、機械に表示されている解析結果を見ているだけであり、メーカーの研究者に踊らされているんだなと。
そんなことを思い出しました。
4. 数学そのものを好きになる。
もちろん数学そのものを好きになるのが理想だと、私は思います。ガク氏は、「受験数学」は退屈だったようですが、次元が異なる理解力の持ち主なので・・・
この記事を書くにあたって、チャート式数学を見てみましたが、「参考事項」というコラムのようなページがありますね。こんなページでも楽しく読めるようになれれば良いのですが・・・
話変わって、先日の記事のリュカ数列。息子は、最初は興味なさそうでしたが、無理やりに解説してみたら、面白い!と言ってきました。何のためになるかわからないけれど、面白い!という感覚。やはり大切な気がします。
ガク氏から事前に頂いたメッセージ
私の場合は、関心や憧れが原動力になったように思います。
受験算数は学校で習わないことがたくさん出てきて、純粋に面白く感じました。知らないことを知ることは楽しいです。進学塾に入ってからは私よりもはるかに優秀な人をたくさん目にして、目標や憧れとなりました。自分も負けてられないぞと思って勉強しました。私立中学に入ると数学コンテストに多く出場している同期に出会い、大きな刺激を受けました。一緒に数学研究会を創ろうという話も出ました。
しかし、受験数学については雲行きが怪しいです。高校、大学と学年が上がるにつれて解法暗記やパターン化でうまく行くことが多く、私はすぐに飽きてしまいました(あるいは私の脳みそが受験に不向きになったのかも知れません)。大数(大学への数学)のコラムや数学オリンピック教材が日々の癒しとして機能しました。また、息抜きに岡潔や朝永振一郎、ファインマンらの自伝などを読んでいました。ただ、偉人の書物を読むたびに受験勉強がつまらなくなってしまったため、これで良かったのかどうか。本など読まずに周りに流されてがむしゃらに受験対策する方が効率は良かったと思います。
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この勉強タイマー、飛ぶように売れているみたいです。
管理人より
ご投稿ありがとうございます。私の言葉も引用してくださり感謝申し上げます。
編集していて感じましたが、本記事の話は登山に例えても面白そうです。
勉強はやっているうちに理解が進んできて、すらすら問題が解けるようになります。これは、体力がついてくると周りを観察する余裕が出てきて、山のいろんなことが詳しくわかる感覚に似ていると思います。
基礎体力(学力)を身につけることで、できることが増えてきます。
コメント
コメント一覧 (2件)
広中杯を受験しようと思っているのですが、どのような教材がおすすめですか?
私は広中杯に出場したことがありませんが、中学の同級生が毎回のように受賞されていました。
彼は並外れた頭脳を持っており、常に私の目標として存在していました。その後、彼とともに灘高受験をして、ともに灘へ入りました。
さて、おすすめの教材ですが、数学コンテストの関連教材を解くと良いです。世の中に出回る大半の学習参考書は受験を意識しているのかテクニックが幅を効かしているため、面白みがありません。広中杯、ジュニア数オリを中心とした過去問演習、また関連分野を収録した教材がおすすめです。
たとえば、以下の教材はいかがでしょうか。
広中杯 ハイレベル中学数学に挑戦―これが中学数学の最高峰 (ブルーバックス)
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数オリ系の書籍も有効です。私のサイト記事に詳しく紹介していますので、ご参照ください。
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