守破離の教えと息子の学習
化学基礎
長男が珍しく質問をしてきました。良し悪しはともかく、暗記分野のように、次から次への処理していきたいのでしょうか。名誉のために書いておきますが、解説を5分10分眺めて理解できないわけではなく、せいぜい2~3分でしょう。さてその問題集の解説を私も眺めてみましたが、確かにわかりにくいですね。多くの人が直面する障壁を、解説では除いてあげられていない感じでした。単に息子から聞かれたから答えたまでですが、ここの読者にも何らかヒントになるかもしれないので、書き残しておきます。
問題
60℃のCuSO4の飽和水溶液140グラムを20℃まで冷却すると、CuSO4・5H2Oは何グラム析出するか?溶解度は60℃で40、20℃で20、式量はCuSO4=160、CuSO4・5H2O=250である(表現を一部改変)。
誰もが陥る考え方
(1) 60℃のCuSO4の飽和水溶液の内訳:水が100グラム、CuSO4が40グラム
(2) 20℃まで冷却すると、水100グラムに対して、CuS04が20グラムまで溶解できる。
(3) 故に、CuSO4が20グラム析出する。故に、CuSO4・5H2Oのグラム数は、20 x (250/160)。???
→ 実際は、CuSO4が析出する際に一部の水を道連れし、水溶液の水が100グラムから目減りしてしまうわけですから、上記考え方ではダメなのです。
問題
60℃のCuSO4の飽和水溶液140グラムを冷却すると、CuSO4・5H2Oが「□グラム」析出した。その時の水溶液の温度は20℃だった。□を求めなさい。
こういう表現ならどうでしょうか?問題文の順番に従って、以下のように解を導き出せそうです。
(1) 60℃のCuSO4の飽和水溶液の内訳:水が100グラム、CuSO4が40グラム
(2) 析出したCuSO4・5H2Oの内訳:CuSO4が「□ x (160/250)」、水が「□ x (90/250)」
(3) 20℃での飽和水溶液の内訳:CuSO4が「40 – □ x (160/250)」、水が「100 – □ x (90/250)」
→ 「40 – □ x (160/250)」:「100 – □ x (90/250)」= 20:100
秋桜咲く・・・の前後
余談ですが、高校入学後早くも1年経ち、大学受験まで残りわずかとなりました。集大成の時期でもあります。今後の期待を込めて、振り返ってみました。
ラサール中に合格した息子は、中1の時こそ、学校のテストで学年トップ、塾ではスター扱いでしたが、中2の後半には、準トップ層に成り下がるも、その後に、中3秋には見事に復活したという話が、上記「秋桜咲く」です。
それで、確定的な「何か」を手に入れたのか?と聞くと、「明確にはわからない」との息子の答えでした(中学生の頃の話)。母親からは「まぐれ」だの、「ネットの情報をみるのではなく、プロである塾のカリキュラムを素直にやり続けた方が良い」だのといろいろ言われた時期もあったような・・・
無論、ガク氏はプロであり、英語の師匠もプロ中のプロなのですが、それはさておき、父親である私としては、息子本人の力で羽ばたいてほしいと願っているわけです。お金がないから「独学せよ」という話ではなく、将来、独り立ちしないといけない時がやってくるからなのです。大学受験が最終ゴールではないという話であり、その後のキャリアで、いずれは自分で切り開いていかないといけないのですから。
下のグラフは、成績のイメージ図です(かなりいい加減に作成しました)。中3秋に「灘クラス」に推薦された息子ですが、蓋を開けてみると、公立高校入学後の学校のテストで準トップ層で低迷していたのです。目の前の課題を猛烈に頑張り続けるライバル達には敵わないのでしょうか。
一方、高校入学後に、息子から、「究極の英単語」の全巻をエクセルにタイプしてくれるように頼まれ、時間をかけて私はそのほとんどをタイプしたこともあります。しかし、「やっぱり必要がなくなった」らしく、そのファイルはお蔵入り状態・・・というエピソードなどありますが、ともかく、我流のオンパレードでした。
その後、なんと、高2の新学期で猛烈に巻き返しているではありませんか。今度は「明確に」方法論がわかっているらしいのです。「秋桜咲く」は父親である私が書いたものですが、最近では、同じ様なことを息子が、息子本人の言葉で語っているという面白さがあります。また「そこまでの境地に至るまでには時間がかかる」とも。
最後にガク氏にも相談した「社会」の話ですが、息子は「日本史」を選択し、見事に学年トップでした。試験範囲を全部暗記すれば良いだけなので、地理よりも勉強しやすいらしく・・・
守破離
塾の経験から独学に至る過程は、この言葉が当て嵌まるのかなと思いましたので、紹介しておきます。
守破離 (Wikipedia)
もとは千利休の訓をまとめた『利休道歌』にある、「規矩作法 守り尽くして破るとも離るるとても本を忘るな」を引用したものとされている。
修業に際して、まずは師匠から教わった型を徹底的に「守る」ところから修業が始まる。師匠の教えに従って修業・鍛錬を積みその型を身につけた者は、師匠の型はもちろん他流派の型なども含めそれらと自分とを照らし合わせて研究することにより、自分に合ったより良いと思われる型を模索し試すことで既存の型を「破る」ことができるようになる。さらに鍛錬・修業を重ね、かつて教わった師匠の型と自分自身で見出した型の双方に精通しその上に立脚した個人は、自分自身とその技についてよく理解しているため既存の型に囚われることなく、言わば型から「離れ」て自在となることができる。このようにして新たな流派が生まれるのである。
「本を忘るな」とあるとおり、教えを破り離れたとしても根源の精神を見失ってはならないということが重要であり、・・・
高校の理系のライバルたちの多くが「地理」を選択する中、敢えて「日本史」を選択する息子を見るに、彼の中では明確な方法論が確立しているのだろうと思います。あとは実行あるのみ。自宅の学習机の前にはいつの日からか、以下の英文が貼ってありました。
Your problem isn’t ideas. Your problem is you don’t act on them.
いずれ羽ばたいていくことでしょう。
追記 共通テストの日本史について
知識よりも読解力が重視されているようです。
引用
「知識力」重視から「読解力・思考力」重視の試験へ
(https://daigakujukensenryaku.com/jh-kyotsu-center/)
暗記の手法を極めつつある息子ではありますが、限りある勉強時間を考慮し、他の教科とのバランスから、日本史の使用テキストを変更したようです。
以前 : 金谷の日本史「なぜ」と「流れ」がわかる本 のシリーズ
現在 : 共通テストはこれだけ! (金谷 俊一郎) のシリーズ
以前の詳細なテキストの重箱の隅の知識を暗記する必要はないそうです。
共通テスト用のテキストと学校の授業で、しっかりと「流れ」を理解すれば高得点は可能だそうです。
管理人より
いつもお世話になっております。
私もつい先日、同様の問題を解いていました。
硫酸銅(Ⅱ)の問題は灘高2020年理科の大問1、守破離の話は予習シリーズ6年下難関校対策の第一回?で出されていました。
硫酸銅については、なにか罠があるだろうと思ってみると、こんなところに隠れていたか…といった感想を抱きました。緊張した試験本番でもしっかり正答を導き出した人は合格できたでしょう。問題もわかりやすくご紹介いただき、感謝申し上げます。
守破離は確か鷲田清一氏の文章だったと記憶しています(間違っていたら申し訳ございません)。勉強も同じだな…と私も全く同じことを考えました。国語の文章は参考になることがたくさん書かれており、いつも楽しく教材をめくっています。
それにしても日本史で学年トップとは素晴らしい出来ですね。科目選択で迷われていたあの頃を懐かしく思い出しました(私が「地理は面白い。歴史と比べると暗記量は3分の1」などと言ったものですから余計に混乱してしまったのではないでしょうか)。日本史を選ばれて大正解でしたね。
管理人より2
灘高の入試問題を載せます(写りが悪くて見づらいですが…)。
灘高_2022_理科_1_問題 pic.twitter.com/bnIhmETQcg
— ガク|独学で灘・東大へ (@nadatodai) June 11, 2022
解答はこちら。誘導が親切についていました。
灘高_2022_理科_1_解答 pic.twitter.com/5TAWXbZSSr
— ガク|独学で灘・東大へ (@nadatodai) June 11, 2022
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