セルフコントロールは鍛えられる|独学で灘・東大を目指した私が学んだ自己管理の本質

GAKU
灘高・東大大学院卒。塾も予備校も使わず、独学だけで合格した。

その勉強法を、そのまま書いている。
再現性にこだわった情報だけを出す。

灘高受験・東大受験・中学受験・きのくに。
どれも一次情報しか書かない。

「自分で勉強できるなんてすごいですね」

そう言われるたびに、高校生の頃は胸を張っていた。塾なし独学で灘高・東大へ。自己管理ができているからこそ、その道を歩めたのだと思っていた。

ところが、上京してから気づいた。自己管理は、思っていたより遥かに難しい。


目次

セルフコントロールとは何か

セルフコントロールとは、誘惑や衝動に直面したとき、自分の意思で感情・思考・行動を抑制することだ。直接的な外からの強制力がない場面で、自発的に自分の行動を統制するプロセスでもある。

独学の本質は、ここにある。誰かに「今日はこれをやれ」と指示されるわけではない。自分で計画を立て、自分で動き、自分で振り返る。その全行程を自分でコントロールできて初めて、独学は成り立つ。


なぜ私はセルフコントロールができたのか

理由はただ一つだ。

父がセルフコントロールを実践していたから。

父は息子の手本になろうとした。私はその父を見て、自然に真似した。それだけだ。自分で意識して自己管理しようと思ったことは、一度もない。目の前に手本となる人がいた。その人の行動を真似した。それが全てだった。

子どもが自分でセルフコントロール力を身につけるのは難しい。特に幼少期は、自分の興味・好奇心に従って動く方が、能力はよく伸びる。だからこそ、親が手本を見せることが最も効果的だ。言葉で「自己管理しなさい」と言っても、何も変わらない。背中を見せることだけが、子どもを変える。


上京して崩れた三つの誘惑

一人暮らしを始めた瞬間、環境が激変した。近くに父も母もいない。全てを自分で決める。その自由が、最初は心地よかった。しかし実態は違った。

① 山岳部への没頭

大学入学と同時に山岳部に入部した。そこで目にしたのは全く新しい世界だった。クライミング、バックカントリースキー、雪山登山、沢登り。すべてに驚嘆と興奮があった。

月曜日は山道具の整理。火曜日は次の山行計画。水曜日は天気予報。木曜日は食料調達。金曜日に荷物を詰めて出発。週末は山。常に山のことを考えていた。日常生活は二の次、三の次になった。

山への情熱は今でも変わらない。でも当時、学業との両立に苦しんだのは事実だ。

② 自転車との出会い

大学受験生の頃にロードバイクを購入した。悪天候で山に行けない日は、自転車でどこまでも走った。図書館から自転車の本を大量に借りて知識を詰め込み、ますますのめり込んだ。熱中することの連鎖は、時に自分の制御を超える。

③ スマホの登場

大学3年生になって初めてスマホを手にした。学科でも持っていないのは自分だけ、という状況がずっと続いていた。手にした瞬間、生活が乱れた。想定の範囲内ではあったが、実際に体験すると破壊力が違った。

所属していた部の連絡がLINEで深夜まで続く。メンバーは27時でも平気で起きている。私の生活リズムとは根本から合わなかった。睡眠時間が削られ、翌日のパフォーマンスが落ちた。スマホは便利な道具であると同時に、セルフコントロールの最大の敵でもある。


自制心を取り戻した二つの習慣

① 筋トレ

大学2年生の頃から筋トレを始めた。外見の変化より、内面の変化の方が大きかった。毎日自信があふれるようになった。前向きな思考がさらに強くなった。

筋トレとセルフコントロールには深い関係がある。「意志力の科学(WILLPOWER)」という本に、「意志力は筋肉と同じで、鍛えれば強くなる」という研究が紹介されている。筋トレは体を鍛えながら、同時に意志力そのものを鍛えていた。

一つのことをやり続ける習慣が、他の習慣の土台になる。筋トレを続けることで、勉強を続ける力も戻ってきた。

② 食事の簡素化

現在の食事は単調だ。生野菜、果物、豆腐、納豆、卵、茹で胸肉の繰り返し。糖質(特に小麦)とは無縁に近い。

以前は違った。食パン1斤を一気に食べることも珍しくなかった。2斤平らげることもあった。フルグラ800gを1日で消費したこともある。食べること自体は今でも好きだ。だが弊害が大きすぎた。食後の強烈な眠気、脱力感、集中力の低下。

ジョコビッチの著書「生まれ変わる食事」を読んでから、小麦を意識的に減らした。腹八分目を守るようにした。空腹感が心地よいと感じられるようになった。倦怠感が消えた。午後の集中力が上がった。

何を食べるかが、思考の質を直接左右する。これは体感として確かなことだ。


セルフコントロールを身につけるための実践

上京して学んだ最も重要なことは、「自己管理は一人ではなく、環境で作るものだ」ということだ。

実家にいた頃、父がいた。規則正しい生活が当たり前の空間があった。それが自然と自分のリズムを作っていた。一人になると、その構造が全て消える。だから環境を意図的に設計する必要がある。

具体的にやってきたことを書く。

起床時刻を固定する。例外を作らない。スマホを寝室に持ち込まない。食事の内容と量を決めておく。筋トレをルーティンに組み込む。机の上を毎晩片付けて何も置かない状態にする。就寝前に翌日の予定を書き出す。

どれも地味だ。でも、この地味な積み重ねが精神の土台を作る。派手なノウハウより、当たり前のことを毎日やり続けることの方が、遥かに難しく、遥かに効果がある。


独学とセルフコントロールは不可分だ

塾に通えば、誰かがペースを作ってくれる。授業があり、課題があり、締め切りがある。外からの構造が自分を動かしてくれる。

独学には、それがない。全ての構造を自分で作る必要がある。だからこそ、独学を続けられる人間は、セルフコントロール力が自然と鍛えられていく。逆に言えば、セルフコントロールができない限り、独学は続かない。

自己管理は才能ではない。習慣だ。そして習慣は、環境と手本によって作られる。

父の背中が僕を作った。僕が今、塾の子どもたちに見せようとしているのも、その背中だ。

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この記事を書いた人

灘高・東大大学院。塾も予備校も使わず、独学だけで合格した。
数学オリンピック2回受賞。

灘受験・中学受験・きのくに。
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