【必読】灘&東大|入試直前期の過ごし方を振り返った

エピソード記憶のメカニズム

ガクさん
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東大院生です。独学で灘・東大に合格しました。数学オリンピックで2回の受賞歴があります。

学心のお知らせ|管理人が直接指導

小さな教室を作りました。

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一人ひとりの特性に合わせて「自立(自律)して学ぶ子ども」を育成します。

子どもたちが「学心」で学んで、
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私と一緒に学びたい子どもたち、大募集です!

教室の風景

小学生〜高校生が同じ空間で、自分の夢に向かって励んでいます。
地元の子どもたちから、灘中・灘高・オリンピック志望者まで在籍。
知的な興奮と歓びが漂う、集中して学べる環境です。

読者様より、記憶のコツについてご寄稿いただきました。

図表も手作りで、渾身の力作です。是非とも最後までご覧ください。

*一部、管理人がスタイルを改変した箇所があります。不都合ありましたらご一報ください。

目次

2種類の記憶

長期記憶には主に2種類あり、エピソード記憶と意味記憶に分けられる。

エピソード記憶と意味記憶

エピソード記憶とは?

学習で得られた知識(環境情報)そのものと、その時の感情の両方が記憶される。

(例:誕生日に家族で楽しく夜ご飯を食べた後、甘くて美味しい みかん を食べた。その「みかんは黄色」であった。)

意味記憶とは?

知識のみの記憶。

(例:「みかんは黄色」である。)

長期記憶に移行するには?

ここで、ノーベル賞学者である利根川進氏のグループの研究を、私なりに紹介してみよう。

要点ですが、長期記憶に移行させるためには、感情を伴う経験が必要だということです。学習(学習時の環境も含む)による知識と感情を伴う経験(刺激)が揃って初めて、長期記憶の条件が整うと考えられます。以上図にしてみました。

 

STEP
学習時

ある環境下にある実験動物に対して、感情を引き起こす刺激を与えた。環境情報は海馬の細胞を活性化するのに対して、刺激は扁桃体の細胞を活性化する。

STEP
学習後1日での想起

学習1日後、実験動物が同一環境下に置かれると、感情を引き起こす刺激が実際にはなくても、(学習時)の感情を思い出し、それに呼応した行動をとる。その際、海馬ー扁桃体のルートをとる。

STEP
成熟期間2-10日

海馬と扁桃体からの信号は、大脳新皮質の細胞に伝わり、大脳新皮質の細胞が成熟する。

STEP
学習後2週間での想起

学習2週間後、同様に、(学習時)の感情を思い出し、それに呼応した行動をとる。その際は、大脳新皮質ー扁桃体のルートをとる。

STEP
長期経過後の想起?

その後、感情は薄れ知識(意味記憶)だけが残ると考えられるが、神経回路レベルでは解明されていない。

引用

エピソード記憶の形成後、最初はその出来事を思い出すのに主に海馬を必要としますが、その記憶を覚えた後、時間経過に伴い徐々に海馬は必要でなくなり、数週間後には大脳皮質を使ってそのときの出来事を思い出すことが分かっていました。

このことから、心理学者や脳科学者らは、“記憶”は、時間経過とともに、海馬から大脳皮質に徐々に転送され、最終的には大脳皮質に貯蔵されるのではないかと考えました。この考えは、「記憶固定化の標準モデル」と呼ばれています。

これまで考えられてきた海馬から大脳皮質への記憶の転送のアイデアは、前頭前皮質の「記憶を担う細胞」の成熟と海馬の「記憶を担う細胞」の脱成熟により、記憶想起に必要な神経回路が切り替わることで説明できるようになりました。

前頭前皮質は知識記憶(意味記憶)やルール記憶の形成にとても重要であることが分かっています。今後は、どのようにして、古いエピソード記憶が意味記憶へと変化するのかに関して神経回路レベルで検証すること、さらには、意味記憶を符号化する神経細胞群が存在するのか否かについても、さらなる研究が期待されます。

管理人からの注釈

【想起】
① 思い出すこと。前にあったことを思い浮かべること。「前例を―されたい」
② 〔ギリシャ•anamnēsis〕プラトンの用語。人間の魂が真の知識であるイデアを得る過程。人間の魂が真の認識に至る仕方を,生まれる前に見てきたイデアを思い起こすこととして説明した。アナムネーシス。

出典:スーパー大辞林

ラーニングピラミッド

アメリカ国立訓練研究所というところが提唱した考え方。私は10年以上そのピラミッドを眺めているので、その概念を理解しているつもりですが、初めてそのピラミッドを見たときは、正直よくわからない図だと思いました。今回私が言いたいことは、シンプルに「人に教える」「グループで討論する」「本を読む」の3つ(ラーニングタワーマンションの図)。

ガク氏は、意識的に、人に教えているとのことです。ただし、エピソード記憶のメカニズムのセクションでお話ししたように、この場合でも、感情を伴うことが重要だと考えられます。

別の観点からお話しすると、「積極的」か「消極的」かということです。

大学の研究室によっては、濃密な勉強会が開かれていると思います。そこで発表の当番に当たると、難解な論文を学習し、人前で説明しなくてはなりません。その後に、自ら、会議の議長となり、討論会を進めなくてはなりません。すばらしい討論会にするために奮闘しますが、これこそアクティブラーニングですし、感情を伴うような体験だと言えます。

一方、大学の講義では、学生からはさほど質問は来ませんし、無難に講義を終わらせることが、お互いのためでもあります。この場合、講義する側もほとんど感情を伴いません。

では家庭ではどのようにしたらよいでしょうか。一つの答えとして、時間をつくって、親がソクラテスになってあげては如何でしょうか?辛抱強く子供に付き合っていられるか、そこが難しいところでもありますが・・・とても重要なことだと、私自身この記事をまとめながら再認識いたしました。

唐鳳氏のような天才はどう育つのか?

父、唐光華氏は唐鳳氏が幼い頃から今日に至るまで、「私は何も知らない、だから教えてほしい」というスタンスで質問を重ね、議論を進める「ソクラテス式問答法」で接してきたという。

「人は往々にして自分が正しいと思いがちです。親は自分を“権威”に仕立てあげるべきではない。また誰に対しても自分のほうが上だと思わないことです」。つまり大人は子どもを導く立場であると同時に、子どもから学ぶ立場でもあるということ。

管理人からのコメント

渾身の力作をご寄稿いただきました。

数多くの事例をご紹介くださり、興味を持って拝読させていただきました。
手作りのイラストも秋を感じさせる背景となっており、寄稿者様のこだわりが感じられます。

ラーニングピラミッドの話で、積極的に人に教える体験こそが、感情を伴う経験であり、記憶形成を助けると述べられていました。まさにその通りだと思います。
私は講師もしているので、子どもと接する機会が多いですが、何かに秀でた子どもほどたくさんのことを教えてくれるように感じます。そして、そのような子どもこそが趣味以外に勉学にも熱意を持って取り組んでいるように思います。

今回のご寄稿も大変ためになる内容でした。改めて感謝申し上げます。ありがとうございました。

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この記事を書いた人

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数学オリンピックで2回の受賞歴があります。

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