英検3級 長文問題の解き方の例
英検3級 長文問題の解き方の例
センテンス毎に丁寧に読んでいけば、満点解答できる、との考え方もできますが、その丁寧さは英作文やその他の学習の場に譲るとして、ここでは、英検3級の長文問題の戦略について考えてみます。
構成
タイトル
本文(1段落に単語数が60前後で、4段落構成の長文)
問題(1)・・・段落(1)の中の具体的な内容を問う問題
問題(2)・・・段落(2)(以下同じ)
問題(3)・・・段落(3)(以下同じ)
問題(4)・・・段落(4)(以下同じ)
問題(5)・・・概要を問う問題(問題例:What is this story about?)
上記の問題構成であることをしっかりと頭に入れておきたいところですね。
サリーライド
ちなみに、2017年の第3回目の英検3級のテストの長文の一つは、サリーライドさんについてのストーリーでした。興味がある人はWikipedia等を参照していただくとしして、
長文のタイトルは、「Sally Ride」、本文の最初の文章が、「Sally Ride was the first American woman to go into space.」です。
最初に問題(5)を解いてみる
問題(5)から解き始めることを提案してみたいと思います。
問題(5)・・・What is this story about?
選択肢1・・・An important American astronaut.
選択肢2・・・The first woman to become the president.
選択肢3・・・A famous American tennis player.
選択肢4・・・A popular teacher who visited Russia.
すべての選択肢を吟味して、消去法的に、選択肢2、選択肢3、選択肢4、を排除できはするのですが、そうでなくても、数秒眺めて、ずばり、選択肢1を選んでもらいたいところだと感じました。
サリーさんは宇宙に行った最初のアメリカ人女性であり(Sally Ride was the first American woman to go into space)、著名なアメリカ人宇宙飛行士である(An important American astronaut.)のですね。
タイトルと本文の最初の文章は重要です。また、このように最初に概要を理解することで、本文が読みやすくなることが期待できます。
もうひとつ気づいたことがあります。問題(1)〜問題(4)は、具体的な内容を問う問題ですが、その流れで、同じ手法で、問題(5)を解くことは不可能です。問われ方が全く違うので、注意が必要なのです。
やはり、問題(5)を最初に片付けた後に、具体的な問い(1〜4)に入っていくほうが良さそうです。
残りの問題は、(1)から順に解いていく
当然のことながら、問題文を先に読んだほうが、正答を素早く導き出せます。
問題(1)の問題文を読む→段落(1)の該当箇所を探す→選択肢から正答を選ぶ。
同様に、問題(2)、問題(3)、問題(4)と進む。
後書き
以上戦略を書いてみましたが、「英検3級の長文問題を解くための戦略」を、あくまで私の興味で思考してみたものです。
本来なら、やはり、純粋な気持ちで文章を読みたいですね。サリーライドさんのストーリーを、Wikipedia(日本語版、英語版)で読もうが、英検の過去問で読もうが、私にとっては同じことなのですが、当事者の娘はやはり「英語教材を如何に楽に片付けるか?」に気持ちがむかいがちなので、指導者として悩ましいものです。
実際、見聞を広げる気持ちを放棄するのは、もったいない気がしますが、如何でしょうか?
余談
ちなみに、PROGRESS IN ENGLISH BOOK1の174ページ目の「THE GREAT KHAN AT THE GREAT WALL」の話のオチを説明してあげると、娘は笑っていました。この英文を読むまでは、チンギスカン鍋の名前の由来を考えたことなどありませんでしたが・・・(https://afun7.com/archives/18593.html)
追記
息子とのディスカッション
現役高校生の息子とこの件についてディスカッションをしてみました。
息子:1段落目の書き出しに答えが書いてあるとは限らないのではないか?
確かに、杓子定規にやってはいけませんね。概要を掴むためには、少し範囲を広げることも考慮しましょう。各段落の1行目には目を通しておくと良いのかもしれません。また、仮に「space」の意味がわかない場合、注釈がヒントになりそうです。
段落(1)の書き出し: Sally Ride was the first American woman to go into space.
段落(2)の書き出し: Sally went to Stanford University.
段落(3)の書き出し: In 1983, Sally was able to go into space.
段落(4)の書き出し: Sadly, Sally died in 2012.
注釈
Ph.D. 博士号
astrophysics : 天体物理学
advertisement : 広告
NASA : 米国航空宇宙局
2018年第1回の長文の例
タイトル : Snacks for Sailors
段落(1)の書き出し: Crackers are a popular snack all over the world.(クラッカーは世界中で人気のあるスナックである)
段落(2)の書き出し: Crackers were invented in 1792 by John Pearson in Massachusetts in the United States.
段落(3)の書き出し: The English word “cracker” was not used until 1801.
段落(4)の書き出し: Bent’s crackers became very popular in the northeastern United States, and people there often put them in soup.
注釈
sailor : 船員
spoil : 腐る
crackling sound : パチパチする音
問題(5) What is this story about?
選択肢(1) : The history of an English word.
選択肢(2) : The history of a famous company.
選択肢(3) : The history of a popular snack.(人気のあるスナックの歴史)
選択肢(4) : The history of food on ships
明らかにクラッカーの話ですね。選択肢(3)で、なんら問題なさそうです。素直に、クラッカーの話として読み進めるべきだとは思います。
タイトルを深読みしてしまうと、選択肢(4) も候補になりそうですが、実際は、段落(2)で「ships」に関することが触れられるものの、段落(3)(4)で「ships以外」のことに話が広がっていくのです。
以上まとめると、クラッカーの話だな、と最初から素直に感じ取れるセンスは大事だと思います。
追記2
ありがとうございます。
人生経験が必要ですね。チンギスカンの鍋の話でも同様で、経験していなければ、英文の日本語訳をしたとしても、話の面白みがわかりませんよね。私も大学生の頃に経験しただけでしたが、思い出が蘇りました。そのうちに、娘といっしょに、チンギスカンを食したいものです。
それと、小学生の子に、英検の上位級を取らせる必要性があるのかという議論です。日本語でも理解できない可能性があるテーマを、英検の過去問で勉強するわけですが、私の意見としては、背景も含めて、じっくりと読み進めれば良いのではないかと思うのです。英検の題材を利用しながら、クラッカーの歴史を学んだり、ということです。理想的には、教科としての国語と英語、さらに、それらを取り巻く背景も、同時進行的に学んでもらいたいなと、夢見ています。
話変わりますが、先日、知り合いのバイリンガルから SAT math のコピーが送られてきて、頭の体操と思ってやってみました。20問25分の制限時間ですが、時間無制限で。問題文は英語ですが、数学の内容は、簡単すぎるもの。それで、結果は、私は満点で、高校生の息子は5問間違い。
英語力+数学力というよりは、想像力の違いでしょうね。よくわかりませんが、この場合も、人生経験の違いからきているのかもしれません。
問題の例
An amusement park has two payment options. Visitors to the park who use Plan A pay a $10 admission fee plus $3 for every ride they go on. Visitors who use Plan B pay a $20 admission fee and $1 per ride. What is the least number of rides a visitor must go on for Plan B to be less expensive?
例えがちょっと違いますが、焼肉食べ放題に行って、たらふく食べて、元を取った!という経験です。
解説
$$10 + $3 \times (乗り物に乗る回数)= $20 + $1 \times (乗り物に乗る回数)$
(乗り物に乗る回数)= 5
「less expensive」を考慮して、「6」が正解です。
6回乗れば、得?をするのですね。
管理人より
ご提示いただいた問題 (5)は明らかに方向性の異なる選択肢ばかりで、一見すると選びやすそうですが、spaceの意味などを勘違いしたまま読んでしまうと苦労する人もいるかもしれません。
ご指摘のとおり、概要(テーマ)を正しく把握してから、本文を読むことで内容の理解が深まるだけでなく、読解スピードも上がりそうです。
このように考えると、国語で文章を読むときも、筆者が言いたいこと(主張・要旨)のチェック(線引き)が英語にも通じるのでしょう。
仰る通り、英語や国語で触れた文章がきっかけとなって、興味・関心の幅が広がると勉強も楽しくなりそうです。
追記
例えば、下記ページのようなプロフィールをご家庭で一緒に読むなどしても面白そうです(ただ、難しい単語が多いです)。
NASA biography of Ride.(外部サイト)
https://www.nasa.gov/sites/default/files/atoms/files/ride_sally.pdf
管理人より 2
追記いただきありがとうございます。
話がずれますが、私は子供の頃、いわゆる「常識」を理解できておらず語彙力に乏しかったため、クラッカーすら(日本語で出てきても)意味がわからなかったと思います。
国語ができなかった最大の要因だと思っています。
管理人より 3
英検に限らず、英語も国語もレベルが上がるにつれて、話題(テーマ)が社会や医療、経済など多岐にわたると、子どもにとって理解が難しく、純粋な学力以外のファクター(人生経験など)が働きそうです。
SATの問題もありがとうございます。
遊園地に行かない私は、思わずrideって何?となりました笑。
(せっかくですので本メールも追記しましたが、不都合ございましたらお知らせください)
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