さるかに合戦
さるかに合戦
さるかに合戦(さるかにがっせん)は、日本の民話の一つ。
ずる賢い猿が蟹を騙して殺害し、殺された蟹の子供に仕返しされるという話である。
地域や時代によって「さるとかに」、「かにむかし」、「さるかにばなし」、「蟹の仇討ち」などの別名もある。(ウィキペディア)
この話の中で、個人的にお気に入りの場面は、蟹がおにぎりを持って歩いていると、ずる賢い猿が現れて、拾った柿の種と交換しようと誘うところです。
「おにぎりは食べてしまえばそれっきりだが、柿の種を植えれば成長して柿がたくさんなりずっと得する」と猿が言ったので、蟹はおにぎりと柿の種を交換した。(ウィキペディア)」
学校内での小テストの位置づけ
本腰を入れて受験勉強に取り組み始めている高校一年生の息子からのコメントですが、同級生の多くは、日々の小テストの勉強に没頭しているようです。一度テストが終われば、その知識は記憶の片隅に押しやられてしまうのではないか、と想像するのですが…
読者はもうお分かりかと思いますが、以下のように説明できると思います。
一般の高校生:おにぎりを食べたい
賢い高校生:柿の種を手にいれたい
ただし、長期的に努力したとしても、最終的には失敗する可能性が、確率上は存在することも認識する必要はあるかもしれません。受験生は、最後の最後で、足を掬われないようにする必要があります。長期的な取り組みだけで楽に合格できるというわけではないのです。実った柿を奪おうとする人がいるかもしれないことを常に意識しておきましょう。小テストの努力の積み上げだけで大学受験に成功してしまう人が存在することは否定できないと思います。以下の例を考えてみましょう。
定員 2人
受験者の内訳
一般の高校生:100人
賢い高校生:2人
合格者の内訳
一般の高校生:1人
賢い高校生:1人
「俯瞰」「鳥瞰」
「俯瞰」や「鳥瞰」という言葉をお聞きになったことがあるでしょうか。これらに関連する言葉には以下の意味があります。
鳥瞰図(ちょうかんず、英: bird’s-eye view)は、地図の技法および図法の一種で、上空から斜めに見下ろしたような形式のものをいう。飛ぶ鳥の目からみたように見える、というのが鳥瞰の語義。建物や山などが立体的に描かれる。俯瞰図、パノラマ図ともいう。(ウィキペディア)
俯瞰景(ふかんけい)は、俯瞰つまり高い視点から低いところの対象を見おろす景観を指す。通常、広く大きな景観が得られ開放感や優越感などを感じる。山頂からの景観、高層建築の上部からの景観、多くの展望台の景観などがある。(ウィキペディア)
通常、読書は、読者が神の視点から物語を読むようにできますが、受験生が自身の受験に関してこの視点に達するのは難しいかもしれません。親として、子供たちには様々なアドバイスを送ってきましたが、実際に上述のことを理解するには時間がかかります。5年ほど経ってようやく、子供たちが「時間がない」と気づく瞬間が来る感じです。
決して批判ではありませんが、学校の先生方は日々の小テストや模試を通じて、その時点での生徒全体の成績を俯瞰し、相対的な位置づけから生徒個人へアドバイスしてしまうものだと思います。しかしながら、親としては、子供たちの将来を見据えて、考えの軸を時間的な観点に置き換えてアドバイスをすることが大切だと思います。
余談 (バッファー)
「バッファー」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。ライフサイエンス系の研究室に関わったことがある人なら、馴染みのある用語です。Tris Bufferが有名で、理学系の人々は学部時代から知っていますが、医学系の人々は大学院生になって初めて「トリスって何?鳥の巣?」という感じで、この用語に出会うことがあるかもしれません。日本語訳を書いたところでで理解できるものではありませんが、「緩衝液」と呼ばれるものです。
最近、英検1級のテキストを眺めていると、「Buffer」が出てきました。例文として、「Her large cash savings serve as a buffer against times of potential hardship.」という例文がありました。緩衝液を多額の貯金に例えることで、概念の一部を小中高生相手にも説明できるのではないかと感じたものです。
さて、息子は青チャートの例題を全て解けるようになっているはずですが、青チャートの進捗が劣っていると思われる同級生に比べて、共通テスト模試に関しては同程度か低い得点率であるようです。私は正直、全く悲観的ではありませんが、何かと批判的な意見を持つ人もいるでしょう。「非効率ではないのか?」と。しかし、違います。本番の共通テストで「変化球」が投げられた時には、多額の貯金が助けになるのだと思います。
いつものようにまとまりがなく恐縮ですが、青チャートを頑張っていながらも、困難な道のりを想像してしまい、迷いのある受験生にとっては上記必読の内容だと思います。
追記
ChatGPTの開発企業Open AI と言えば、イーロンマスク氏がよく知られています。
OpenAI was founded in 2015 by Ilya Sutskever, Greg Brockman, Trevor Blackwell, Vicki Cheung, Andrej Karpathy, Durk Kingma, Jessica Livingston, John Schulman, Pamela Vagata, and Wojciech Zaremba, with Sam Altman and Elon Musk serving as the initial board members. (Wikipedia)
これに関して、私の目を引いた記事があります。
https://toyokeizai.net/articles/-/427168
抜粋ですが、
今の面白みのない自分から脱却し、もっと上に行くためには、炭になり石にならなければいけない
しかし、重要なのは「正しい思考プロセスへの責任が伴わない限り、破壊だけを実行しても十分でない」ということ。
この情報は非常に深い内容であり、素人が軽々しく要約するべきものではありませんが、幸い私達は読者として、イーロンマスク氏の半生を俯瞰することができます。一般家庭において東大などのハイレベルな受験を成功に導くためには、このような思考パターンが重要だと感じました。
さて、我が家は3人の子供を抱えており、私立の中高一貫校に通わせるだけの経済的余裕がありません。全くの無関心から、私は子供が公立の中学校に進学するものだと考えていたいところ、数年前に初めて妻から「中学受験」という言葉を聞いたとき、私は大変驚いたものです。
敢えて誇張して書きますが、多くの人々はお金がすべてだと信じており、お金を使って塾に通わせたり家庭教師を雇ったり、私立の学校に通わせることで将来の成功を追求しています。しかし、ここ数年、私はそういったアプローチに幸せを見出せないことを感じています。
記事の「第一原理」に当てはまるかどうかはわかりませんが、私の考えは次のようなものです。
「小学校から高校までの基本的な知識は学校で得られる。なぜ塾に通わなければならないのか?必要な教材は購入でき、中古のものなら格安で手に入る。」
この基本原則を踏まえた上で、必要なものを追加していく思想こそが大切だと思いませんか。
追記2
ガクさんが言うところの、自分自身の根本に焦点を合わせるのであれば、好奇心からくる情熱でしょうか。
余談3
20年ぐらい前の話であります。その当時でも既にインターネットを通じて色々な情報にアクセスできるようなイメージを漠然と持っていたものです。VISA申請に関しても自分でやれそうだと思っていました。
留学前、金欠で節約のために自分でやるべきか業者にお願いすべきか悩みましたが、極めて多忙で時間が限られていたこともあり、結局は、ある旅行代理店にビザの手続きをお願いしました。2つ返事で快く承諾してくれました。
忙しさのあまり2週間程度放置していたのですが、ふと心配になり、進捗を聞いてみたところ、返ってきた答えがこれ。
業者:「いくつか質問させてください。」
私:「え?時間がないので自分でやります。」
本質的なことは何か?
時間的な制約が最優先課題ですね。そこにお金が発生しているわけです。法外な値段では困りますが、さっさと処理して私に請求すればよいというものです。
それなりに友人の手を借りましたが、業者に頼ることなくやることができました。私(日本人)を受け入れてくださる海外の大学(研究室、教授)いるのです。そこが本質ですね。その部分を軸に書類を用意処理していけば大丈夫でした。
上記2つの本質を業者は理解できていなかったのではないかと想像しています。
管理人より
ご投稿いただきありがとうございます。
俯瞰は難しいところです。私は、もう一人の自分を設定することが多いです。現実の自分が困難に遭っている時は、俯瞰的な視点としてのもう一人の自分に乗り移って精神的な安寧を得ています(単に逃げているだけかもしれませんが…)。
俯瞰的な視点を獲得した(と思い込んでいる)のは大学受験の頃でした。当時は、毎日ノート2ページ分程度の日記をつけて自身の感情や考えを書き溜めていました。こうして、自分自身を客観的に見る習慣を続けるうちに、自分のことがよくわかってきました(逆にこのせいで、受験競争に踊らされている自分を感じて、手を引いてしまったのも事実です)。
大学に入ってからは、一定期間ごとに世間に流されたり自分の信念を貫いたりすることで、自分で自分を実験していました。
バッファーは懐かしいです。学部4年になり研究室に配属された頃、自分でいろいろとバッファーを作っていました。恥ずかしながら、M(モーラーと読み、モル濃度を表す)という単位の表現方法があるのを知ったのもこの頃です。ちなみに、モル濃度 (M) = モル数 (mol) / 容積 (L)です。
お遊びで、ChatGPTにBufferの例文の意味を聞いてみると以下のように答えが返ってきました。
“Her large cash savings serve as a buffer against times of potential hardship.” This sentence means that the person has a significant amount of money saved in cash, which they can use to help them through difficult times or financial challenges. It acts as a safety net or financial reserve that they can rely on if they face unexpected expenses or emergencies.
管理人より2
追記いただきありがとうございます。
ご紹介いただいた記事に、ロケット科学者たちのイノベーションに言及がありました。
これまでの慣習(思い込み)と異なることを始めるのはとても勇気のいることです。私が感心したのは、ロケット開発という「開発コストが大きな分野について、イノベーションに踏み切ってプロジェクトを進めた点」です。まさに変化の速い分野で働く人材の力が凝集された結果だと思います。普通ならこれまでの「正攻法」を踏襲するでしょう。
勉強や生き方も同じことが言えるかもしれません。
いずれも個々によって特性が異なりますので、いわゆる成功ルートを真似するのもいいですが、少し逸れてみて自身の根本に焦点を当てるという、「第一原理思考」を意識するのも面白そうです。
(記事を元にした感想です。もし、私に誤解があったら申し訳ございません)
管理人より3
さらなる追記をありがとうございます。
ビザの手続きも大変ですね。一歩間違えれば惨事になるところだったのではないでしょうか。
おそらく「本質」は、各個人の思考レベルによってどの程度掘り下げられるかによっても異なるのだと思います。
その業者さんにとっては、相手の状況を把握することよりも、とりあえず愛想良く対応する(切り抜ける)のが(仕事の?)本質だったのかもしれません。
コメント