受験期は、想像以上につらい。親も子も。

GAKU
灘高・東大大学院卒。塾も予備校も使わず、独学だけで合格した。

その勉強法を、そのまま書いている。
再現性にこだわった情報だけを出す。

灘高受験・東大受験・中学受験・きのくに。
どれも一次情報しか書かない。

YouTubeに、こんなコメントが届きました。

「共通テストまであと96日。息子は成績が上がりません。私だけが夢を見ていたのでしょうか。努力すれば達成できると信じていたのに。息子は私のアドバイスを聞き入れません。やり方を変えようとしません。悲しくなります」

読んで、胸が痛くなりました。

同時に、この言葉の重さがわかる気がしました。受験は、本人だけでなく、隣で見守る親にも、容赦なく牙を剥くものだからです。


目次

受験の最大の厳しさとは何か

受験における最大の厳しさは、「迷いがあるにもかかわらず、前に進まなければならない」ことだと思っています。

人間ですから、悩みます。立ち止まります。「なぜこれをやっているのか」と問い直す夜があります。やる気が出ない日もある。意味を見失う日もある。

でも試験の日は、待ってくれない。

その理不尽さが、受験の本当の苦しさだと思っています。学力の問題より先に、「迷いながらも動き続ける」という精神的な試練がある。受験はその意味で、学力の戦いでありながら、同時に精神力の戦いでもあります。

だから私は、迷うこと自体は悪いことではないと思っています。むしろ、真剣に向き合っている証拠です。何も考えずに机に向かえる人の方が、少数派かもしれません。


私も、悩んでいた

正直に話します。

センター試験(現・共通テスト)の勉強が、大嫌いでした。面白みのないテストのために勉強するのが馬鹿らしくなって、投げ出そうと思ったことが何度もありました。

高校受験のときは「どうしても灘に行きたい」という強い気持ちがありました。でも大学受験のときは、行きたい場所が特になかった。「東大なら一番だし、なんとか満足できるかな」——それくらいの動機でした。不純と言えば不純です。

だから、大学受験の勉強は気乗りしませんでした。乾パンをかじるような日々でした。

それでも続けられたのは、行きたい場所のイメージを持ち続けていたからです。大学のパンフレットを眺める。尊敬する人の伝記を読む。「あそこに行けば、今より面白い世界がある」という感覚を、何度もリセットして取り戻しながら、前に進んでいました。


「厳しくすること」は正解なのか

コメントの続きにこんな問いがありました。「厳しさとは何なのでしょうか」と。

難しい問いです。

私が思う「厳しさ」は、高い基準を外から押しつけることではありません。自分の内側から湧き出る「もっとやれる」という感覚を、諦めずに持ち続けることだと思っています。

親が子どもに「もっとやれ」と言っても、それは外からの圧力です。外からの圧力は、短期的には効くことがあります。でも長い受験期間を乗り越えるエネルギーは、外側からは補充できません。自分の中にある「なぜ受けるのか」という問いへの答えが、唯一の燃料になります。

親にできることは、その燃料を消さないことかもしれません。余計なことを言わずに、ご飯を作って待っている。それが最大の応援になることがあります。


睡眠について:削ってはいけない

睡眠時間はどれくらいでしたか、という質問もいただきました。

大学受験期は、ひどかったです。朝5時半に起きて、就寝が深夜0時。往復4時間の通学があったので、行きの電車で眠りにつくのが至福の時間でした。体は悲鳴を上げていたと思います。全身から肉がげっそり落ちました。

今振り返ると、もっと寝るべきでした。脳科学の研究が明確に示しているように、睡眠は記憶の定着に不可欠です。睡眠中にその日の学習が長期記憶に変換されます。削れば削るほど、昼間の勉強が無駄になっていきます。

受験生に伝えたいのは、睡眠は勉強時間を削る行為ではなく、勉強を定着させる行為だということです。7〜8時間は確保してほしいです。

就寝前にできることを一つだけ挙げるとすれば、その日に良かったことを思い出すことです。つらい日でも、一つくらいはあるはずです。ポジティブな気持ちで眠ると、翌朝の状態が変わります。


勉強量について:量は質を生む

ノートは何冊使いましたか、という質問もありました。

私はA4コピー用紙を愛用していたので、ノートの冊数では計れません。ただ、大学ノートに換算すると2〜3日で1冊分を使い切るペースで勉強していました。灘高・東大の同期も、同程度の量をこなしている人が多かったです。

量は大切です。ただし、量だけを目標にしても続きません。「今日は何ページ進んだ」より「今日は何を理解できた」を積み重ねる方が、長期的には力がつきます。


受験は人を成長させるのか

この問いに、正直に答えます。

させる場合もあるし、させない場合もある。

合否だけを目標にした受験は、終わった瞬間に勉強が止まります。合格した者は燃え尽き、不合格だった者は傷だけが残る。そういうケースを、周りで何度も見ました。

一方、「なぜ学ぶのか」を問い続けながら取り組んだ受験は、合否を超えて何かを残します。迷いながらも動き続けた経験、何度も立ち上がった記憶、それは成績表には残らないけれど、その人の中に確実に刻まれます。

受験が人を成長させるのではありません。受験という機会に、どう向き合ったかが、人を成長させます。

だから、今苦しんでいる受験生に伝えたいことがあります。

迷っていい。悩んでいい。それはあなたが真剣に向き合っている証拠です。答えが出なくても、前に進み続けた時間は、必ずどこかで意味を持ちます。

そして、隣で見守っている保護者の方へ。

あなたが悩んでいること自体が、子どもへの愛情の表れです。完璧な関わり方などありません。ご飯を作って、待っている。それだけで十分なことがあります。

受験期は、親も子も、想像以上につらい。でも、その時間を一緒に乗り越えた事実は、合否に関係なく残ります。

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この記事を書いた人

灘高・東大大学院。塾も予備校も使わず、独学だけで合格した。
数学オリンピック2回受賞。

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