【大学受験・直前期】独学で最難関大学に合格するための勉強戦略|教材・過去問分析・メンタルまで

はじめに
YouTubeの視聴者様からお便りいただきました。
こちらにもご紹介します。
ご返信ありがとうございます。
長男高3で私立在籍です。 細胞研究がしたいと国立大学をめざし、独学で勉強しています。
ガクさんが紹介されている英語、数学の本も勉強させていただいております。 ありがとうございます。
ガクさんは大学受験時どのような教材を解かれていましたか??
また灘高校受験で出そうなところがだいたい当たったとおっしゃていましたが、それは過去問上から分析されたのでしょうか? 分析の仕方を教えて下さい。
長文すみません。 よろしくお願い申し上げます。
「どの教材を使えばいいか」という質問を、読者からよく受ける。
答えはシンプルだ。定番教材を選び、やり切る。それだけだ。
ただ、「やり切る」の中身が人によってまったく違う。1周して満足する人と、3周・4周して初めて「やった」と言える人では、結果が全然違う。
この記事では、僕が東大受験で実際に使った教材と、過去問の分析方法、そして独学で長期戦を乗り切るための考え方を話す。
勉強の基本構造:過去問と演習教材を交互に解く
大学受験の勉強は、この繰り返しだ。
過去問を解く → 弱点を把握する → 演習教材で弱点を潰す → 過去問を解く
過去問だけでは「できない部分」が埋まらない。演習教材だけでは「本番の感覚」がつかめない。この二つを交互に進めることで、実力と得点力が同時に上がっていく。
過去問の使い方
時間帯を本番に合わせる
過去問を解くとき、必ずアナログ時計の針を実際の試験時間に合わせてから始める。
東大の試験が10時開始なら、時計を10時に合わせて解き始める。これを繰り返すことで、体が「この時間帯が試験だ」と覚えていく。当日、試験開始の瞬間に自然に切り替えができるようになる。
何年分解くか
大学入試の場合、問題作成者が年度によって変わることもある。そのため、年度にこだわりすぎず、網羅的に取り組む方がいい。
僕が使ったのは教学社の赤本シリーズだ。科目ごとに27ヵ年分の問題を収録したものがあり、これを時間を測りながら解き進めた。
- 東大の理系数学27ヵ年(教学社)
- 東京大学(教学社)——全科目の過去問
科目別おすすめ教材
数学
数学オリンピックの教材
高校数学が嫌いになった時期があった。
中学受験や中学数学は、同じ問題でも複数の解き方があり、頭の柔らかさが活きた。解くたびに発見があって、純粋に楽しかった。
ところが高校数学に入ると、解法パターンの暗記が中心になってくる。センター試験はマーク式で、答えを出すことが優先され、数学本来の面白さを感じにくくなった。だんだん、数学が義務になっていった。
そこで、数学オリンピックの教材に切り替えた。
オリンピックの問題は、公式を当てはめれば解けるものではない。自分で論理を組み立て、証明し、答えにたどり着く必要がある。時間はかかる。でも、解けたときの手応えが全然違った。「数学ってこういうものだった」と思い出せた。
受験数学が義務に感じてきたら、一度オリンピック系の問題に触れることをすすめる。数学への向き合い方が変わる。
英語
新キムタツの東大英語リスニング(アルク)
著者の木村達哉先生は、灘高で僕の担任だった。
東大英語リスニングをはじめ、「ユメタン」「ユメブン」など、有名な英語教材を多数出版されている先生で、全国から授業見学に来る人が絶えないほどの人物だった。授業は独特で、来客に見せるための側面もあったが、それだけに内容は常に本気だった。
高校の授業でもこの教材を使っており、そのまま受験でも活用した。リスニングは、毎日触れ続けることが最も重要だ。
国語
最強の古文(Z会)
解説の質が抜群だ。問題を解き終わった後、解説を読むたびに古文がもっと好きになっていった。「また解きたい」と思えるほどの教材は珍しい。
古文は、単語と文法を固めた後、良質な問題集で読解練習を積む。この一冊がその役割を担ってくれる。
理科
化学の新演習(三省堂)
灘高の同期はほぼ全員が使っていた。先生からも強くすすめられた教材だ。
高校2年生の夏に購入し、高校3年生に上がるタイミングから本格的に取り組み始めた。3〜4周は解いた。全体的に難しいので、1問1問の解説をしっかり理解しながら進めることが大切だ。「解けた」で終わらず、「なぜそう解くのか」まで言語化できるようになるまで繰り返す。これを完璧にすれば、どの大学・学部の化学にも対応できる。
難問題の系統とその解き方 物理(ニュートンプレス)
灘高の授業テキストとして使われていた教材だ。授業では、各自が問題を解いて板書し、クラスメートに解説するという形式だった。人に説明できるレベルまで理解する、という訓練が自然と積まれていた。
こちらも高2夏から購入し、3〜4周した。物理の本質的な理解を問う問題が揃っており、パターン暗記では歯が立たない。論理的に考える力が、ここでも求められる。
大学受験特有のプレッシャーについて
中学受験・高校受験と違い、大学受験は「人生の方向性」に直結する。
僕の場合、理科三類や京大・阪大の医学部も視野に入れて勉強していた。医学部に進むかどうかで、医者になるかどうかが変わってくる。その選択の重さが、じわじわとのしかかってきた。
正直に言うと、「自分が人生で何をしたいのかわからない」と感じた時期があった。勉強が手につかない時期もあった。
そこから東大理科二類に絞ると決めてから、迷いがなくなった。やるべきことが見えた。プレッシャーは消えたわけではないが、前に向けるようになった。
「何のために勉強するか」が見えていないと、直前期のプレッシャーに飲み込まれやすい。志望校と学部を、できるだけ早い段階で自分なりに決めておくことが、精神的な安定につながる。
直前期の過ごし方
授業のない日は、10時間以上勉強していた。
ただし、ぶっ続けで机に向かっていたわけではない。ラジオ体操、木刀の素振り、散歩、犬の散歩——リフレッシュの時間を意図的に組み込んでいた。
1日のルーティンについては、別記事で詳しくまとめている。
→ [東大合格直前の1ヶ月|毎日10時間勉強しながら、木刀を振っていた話]

後輩へ:一番伝えたいこと
勉強を楽しんでほしい。
義務でやる勉強は長続きしない。楽しんでやる勉強は、苦しい時期も乗り越えられる。
志望校が決まったら、その大学を実際に見に行ってほしい。キャンパスを歩く、研究室の情報を調べる、そこで学ぶ自分を具体的にイメージする。「あの場所に行きたい」という気持ちが、勉強のエンジンになる。
僕が数学オリンピックに本気になれたのも、灘高を目指したのも、東大に行くと決めたのも、すべて「ここに行きたい」という具体的なイメージがあったからだ。
教材を選ぶより先に、行き先を決める。それが、独学で最難関を目指す人間に一番必要なことだと思っている。









コメント
コメント一覧 (2件)
いつかの記事において、ガクさんは勉強のたてに朝3時や4時に起床していたと書かれていましたがそれは何時に就寝し、その時間帯に起床されていたのですか。また、体調面は大丈夫でしたか。(頭痛の記事は拝見しました)
超早起きは、主に中学生と大学生・大学院生の頃に行なっていました(夏限定です)。1日にできる量が2倍になった感覚になり、素晴らしい習慣でした。
中学生の頃は9時就寝、大学生・大学院生の頃は10時に就寝していたと記憶しています。
ただ、大学生以降は早起きすると日中に眠気が来て研究に支障が出たので、一長一短な面もあります。