【3年使用レビュー】30個以上試した私が、グレゴリー ルーヌ22を使い続ける理由|EX22 V2・EX28との違いも解説
30個以上のリュックを使ってきた。
通学用(アディダス、ノースフェイス、ワークマン)、登山用(オスプレー、マムート、モンベル、ミレー)。価格も素材も用途も違うものをとっかえひっかえ使い続けて、いま最も満足している相棒が一つだけある。
グレゴリーのルーヌ22だ。
3年間、ほぼ毎日使っている。平日も土曜も、外出の多い休日も。MacBook AirとiPad Proと750mlの水筒と弁当を入れて、毎日背負い続けている。
これだけ使えば、良いところも悪いところも分かる。他のレビュー記事の多くは買ったばかりのぴかぴかの状態での印象だ。ここでは3年間毎日使い込んで初めて分かったことを書く。
この記事では現在使用中のルーヌ22に加え、最近店舗で見て気になったルーヌEX22 V2、そして次の候補として検討しているルーヌEX28(コーデュラBLライト)との違いも整理する。
私がリュック選びで重視した条件
30個以上のリュックを使い続けた末に、自分なりの選定基準が固まった。ルーヌ22を選んだのは、この条件をほぼすべて満たしていたからだ。妥協した点も含めて正直に書く。
信頼できるメーカーであること。登山用品で実績を積んだブランドは、縫製や素材の選定が根本から違う。グレゴリーはその一つだ。
シンプルなデザインであること。どんな服装にも合い、10年後でも古く見えないデザインを選びたい。ロゴが大きく主張するものは避けた。
生地が丈夫であること。アークテリクスのマンティスは薄くて却下した。生地の質は長期使用で如実に差が出る。
防水コーティングが外側に露出していないこと。コーティングが剥がれると白い粉が大量に出てくる。見た目が悪くなるだけでなく、衣類や書類に付着する。ルーヌ22は二重構造で防水コーティングが表に出ていないため、劣化しにくい。
止水ジッパーでないこと。止水ジッパーは滑りが悪く、劣化すると剥離・白濁する。登山用リュックを数多く使ってきて、これが嫌になった。グレゴリーのジッパーは非常になめらかで、3年使っても変わらない。
PCスリーブがあること。MacBook Airを毎日持ち運ぶため必須だ。
クイックアクセスポケットがあること。上部にすぐ取り出せるポケットがないと不便だ。
グラブハンドルが持ちやすいこと。電車の荷棚に載せるとき、玄関でさっと持ち上げるとき、毎日何度も使う。ここがしっかりしていないと地味にストレスになる。
弁当と水筒が並列で入ること。縦長の収納だとどちらかが倒れる。メインコンパートメントの底のマチが広くないと実現しない。
底部が水平であること。底が斜めカットされているリュックは弁当が傾く。水平な底面はこだわりのポイントだ。
他の人と被りにくいこと。ノースフェイスやアネロは街中で被りすぎる。グレゴリーのルーヌは認知度が高まりつつあるが、まだ希少感がある。
妥協した点が2つある。一つはPCスリーブがメインコンパートメントと同一気室であること。荷物が多い日はPCに圧力がかかる。EX28やEX22 V2では独立気室になっており、ここは明確な改善点だ。もう一つはサイドポケットが片側メッシュであること。メッシュは使い込むと伸びて見た目が悪くなる。なんとか許容している。
3製品のスペック比較
| 項目 | ルーヌ22 | ルーヌEX22 V2 | ルーヌEX28 |
|---|---|---|---|
| 容量 | 22L | 22L | 28L |
| 重量 | 880g | 880g | 780g |
| サイズ | 48.3×33.0×19.0cm | 49.0×31.5×23.0cm | 48.3×31.8×24.1cm |
| 素材 | ポリエステル100%(二重構造) | 840Dコーデュラバリスティックナイロン | 840Dコーデュラバリスティックナイロン |
| PC収納 | メインコンパートメント内スリーブ(内側アクセス) | メインコンパートメント内スリーブ(内側アクセス) | 独立した専用荷室(外側アクセス) |
| ポケット数 | 外側4・内側3(計7) | 外側4・内側3(計7) | 外側5・内側3(計8) |
| クイックアクセスポケット(上部) | あり | あり | あり |
| デジハーネスポケット(ショルダーハーネス部) | あり | あり | あり |
| スターナムストラップ | あり(位置調節可) | あり(位置調節可) | あり(位置調節可) |
| エアークッション背面 | あり(フォーム不使用) | あり(フォーム不使用) | あり(フォーム不使用) |
| 内装カラー | オレンジ系 | ブラック | ブラック |
| 価格(税込) | 30,800円 | 38,500円 | 44,000円 |
ルーヌ22 vs ルーヌEX22 V2——同じ22Lで何が違うか
容量は同じ22L、重量も同じ880g。スペック表だけ見ると大きな差がないように見える。しかし実際には3つの違いがある。
最大の違いは素材だ。ルーヌ22がポリエステル100%(二重構造)であるのに対し、EX22 V2は840Dコーデュラバリスティックナイロンを採用している。コーデュラバリスティックは軍用装備や警察装備にも使われる素材で、耐摩耗性がポリエステルとは次元が違う。毎日床置きしても、教材の角が擦れても、そう簡単に傷まない。
次にサイズ感だ。横幅はほぼ同じだが、EX22 V2はマチ(奥行き)が23.0cmと、ルーヌ22の19.0cmより4cm広い。容量は同じ22Lでも、EX22 V2の方がマチを活かして荷物をゆったり入れられる。弁当と水筒を並べて入れるような使い方に向いている。
そして内装カラー。ルーヌ22がグレー系なのに対し、EX22 V2は内側も黒い。見た目の統一感があり、所有欲を満たしてくれる。店舗で実物を見たとき、この違いは予想以上に印象が違った。
価格差は7,700円。素材のアップグレードと内装の質感を考えると、長く使うつもりなら十分に検討する価値がある。
ルーヌEX22 V2 vs ルーヌEX28——素材が同じなら何で選ぶか
どちらも840Dコーデュラバリスティックナイロン、どちらも内装はブラック。この2製品の選択基準は容量とPC収納の構造に絞られる。
容量22L vs 28Lの差は、毎日の荷物量によって判断する。MacBook・iPad・弁当・水筒・折りたたみ傘程度なら22Lで十分だ。旅行も兼用したい、荷物が多い日がある、という場合は28Lに余裕がある。
PC収納の構造は明確な違いだ。EX22 V2はメインコンパートメント内にスリーブがある内側アクセス方式で、ルーヌ22と同じ設計。EX28は背中側に独立した荷室があり、外側から直接PCを出し入れできる。荷物が多い日にメインコンパートメントが満杯になっても、PCには影響しない。
価格はEX22 V2が38,500円、EX28が44,000円。差は5,500円。容量が6L増えてPC収納が独立する対価として、妥当な差だと思う。
ルーヌEX28:ジェットブラックとコーデュラBLライトの違い
ルーヌEX28にはカラー(素材)が2種類ある。レビューがほとんど存在しないため、ここで整理しておく。
| 項目 | コーデュラバリスティックブラックライト | ジェットブラック |
|---|---|---|
| 前面素材 | 840Dコーデュラバリスティックナイロン | X-PAC |
| 重量 | 780g | 1kg |
| 価格(税込) | 44,000円 | 49,500円 |
| 質感 | マットなブラック | 公式情報なし(要店頭確認) |
X-PACはもともとヨットのセイル(帆)に使われていた素材で、軽量かつ高防水が特徴だ。ジェットブラックの質感については公式からの詳細な説明がなく、店頭で実物を確認することをおすすめする。重量は220g重く、価格も5,500円高い。防水性を最優先するならジェットブラック、軽さと耐久性のバランスを重視するならコーデュラバリスティックブラックライト、という選び方になる。私が検討しているのはコーデュラBLライトだ。
グレゴリーを選んだ理由
グレゴリーは1977年創業、登山の世界でも信頼を集めるバックパック専門メーカーだ。アウトドアで培った設計思想がデイパックにも反映されている。派手な主張がなく、真面目で堅牢な作り。そこに惹かれた。
「ルーヌ(Rhune)」という名前は、フランスとスペインの国境に位置するピレネー山脈の山「ラ・リューヌ(La Rhune)」に由来すると考えられている。標高905m、バスク語で「山の牧草地」を意味するとされる山だ。グレゴリーは他のシリーズ名でも地名・山名を使う傾向があり、登山メーカーらしい命名のセンスがある。公式からの明確な説明は見当たらないため、あくまで推測だが、由来として有力だ。
容量22Lはちょうどいい。大きすぎず、小さすぎない。通勤・通学・外出と、どんな用途にも対応できる。デザインはシンプルで、服を選ばない。
決め手になったのはショルダーハーネスだった。店頭で手に取った瞬間、分厚さが違うと感じた。他のデイパックとは明らかに異なる。これだと思った。
ちなみに東大時代にこのリュックを知っていたとしても、当時の自分は買っていなかったと思う。節約志向だったので、リュックに3万円は出せなかった。ただ、もし買っていたら間違いなくずっと使い続けていた。それだけの製品だ。
3年間の正直な評価
① ショルダーハーネス——これだけのために買う価値がある
これが最大の魅力だ。体に沿ってカーブしたパッド入りのショルダーハーネスは、これほど分厚くしっかりしたものを持つデイパックが他にない。全体の重さをしっかり支えながら、体にぴったりフィットする。
私の普段の中身はかなり重い。MacBook Air 13インチ、iPad Pro 11インチ、外付けSSD、イヤホン、水筒750ml、弁当、折りたたみ傘。合計すると相当な重量になる。それでも長時間背負っていられるのは、このショルダーハーネスと背面エアークッションがあるからだ。
背面パッドはフォームを一切使わないエアークッション構造で、空気を含んだクッションが圧力を分散しながら吸湿発散による冷却効果ももたらす。蒸れにくく、夏場でも快適に使える。位置調節が可能なスターナムストラップも備えており、走るときや自転車に乗るときに荷物が安定する。
② 上部クイックアクセスポケット——小さいのに使用頻度が高い
上部のグラブハンドル付近にはジッパー式のクイックアクセスポケットがある。底が浅く、スマホやICカードをすぐ取り出せる設計だ。
私はここにスマホやICカードを入れている。底が浅いから取り出しやすく、背負ったままサッと手が届く。毎日何十回と使うものだから、この設計が積み重なって大きな快適さになる。 また、ショルダーハーネス部にはデジハーネスポケットがある。イヤホンや乗車券、リップクリームなど、よく取り出す小物を安全に保管しつつサッと取り出せる。胸元に常備できる感覚で、背負いながらアクセスできる点が便利だ。
③ 右側面の鍵ポケット——地味だが毎日助かる
右側面下部に鍵専用のポケットがある。スウィングアラウンドアクセスという設計で、リュックを下ろさずに片手でアクセスできる。キークリップ付きで鍵をつないでおける。玄関前でリュックを下ろして鍵を探す手間がない。
④ 生地の品質——3年使っても劣化しない理由
ルーヌ22の生地は二重構造になっている。防水コーティングがむき出しになっている安価なリュックとは異なり、表面が布地で覆われているため、教材や本の角が擦れても防水コーティングが剥がれてこない。3年使っても外観がくたびれていないのは、この構造によるところが大きい。
以前使っていたノースフェイスのディーコンは、大学時代まで数年使い続けるうちに生地のコーティングが剥がれ、ロゴの刺繍も劣化した。ルーヌ22ではそういった変化がほとんど見られない。EXシリーズはさらに上の素材になるため、耐久性はより高いはずだ。
⑤ 収納の設計
メインコンパートメントは広く、底のマチが大きい。内側からアクセスするPCスリーブにはMacBook Air 13インチが収まる。内側のジッパー付きメッシュポケットとペンスロットで小物を整理でき、上部のクイックアクセスポケットはワンジッパーで開閉できる。左右のサイドポケットはストレッチメッシュで、水筒も傘もしっかり保持する。
3年間で傷んだ箇所
正直に書く。
背面パッド下部の網状部分に、床との摩擦で小さな穴が開いた。底面の生地巻き込み部分も1.5cmほど破れている。ただしリュックとしての機能には一切影響がない。ファスナーは3年経っても滑らかに動く。ショルダーハーネスの縫製も問題ない。
ワークマンの1900円のリュックは、重い荷物を入れると内側の縫製が1年ほどで破れた。グレゴリーとはそこが根本的に違う。
唯一の不満点
背面パッドの網状部分に砂や小枝が入ると取り出しにくい。価格は30,800円と高く、購入時に勇気がいった。しかし3年間ほぼ毎日使い続けて、今は安い買い物だったと思っている。1日あたりに換算すれば大した金額ではない。
どの製品を選ぶべきか
荷物が標準的で価格を抑えたいならルーヌ22。素材と内装の質感にこだわりたい、かつ容量は22Lで十分という場合はルーヌEX22 V2。容量に余裕を持たせたい、PCを独立した荷室に入れたいならルーヌEX28。この3択で迷うことはなくなるはずだ。
私は現在ルーヌ22を3年使い続けており、次はルーヌEX28(コーデュラBLライト)への移行を検討している。容量よりもPC収納の独立構造に魅力を感じているからだ。
リュックは「知識を背負う相棒」である
私にとってリュックは、単なる荷物入れではない。
教材も参考書もパソコンも、これから自分の知識になるものを運ぶための道具だ。毎日背負い続けるものだから、肩が痛くなるものより、背負っていることを忘れられるものを選びたい。
良い道具は、使っている間に存在を消す。気づけばそこにある。そういう道具と長く付き合いたいと思っている。
グレゴリー ルーヌ22は、私にとってそういう存在だ。3年間毎日使って、今も同じ感覚がある。





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