灘中不合格でも諦めない君へ|灘高再受験、僕が飛び込んだ理由と5つの覚悟

GAKU
灘高・東大大学院卒。塾も予備校も使わず、独学だけで合格した。

その勉強法を、そのまま書いている。
再現性にこだわった情報だけを出す。

灘高受験・東大受験・中学受験・きのくに。
どれも一次情報しか書かない。

中学2年生の秋、ある男と出会った。

その出会いが、僕の人生を180度変えた。


目次

彼との出会い

僕が入学した私立中学は、府県内でトップの進学校だった。第一志望で入ったが、入試で緊張しすぎたせいで一番下のクラスに配属された。悔しかった。だから必死に勉強した。

中学2年に上がる頃、クラス替えで一番上のクラスへ上がった。そこに、彼がいた。

数学がほぼ満点。英語もほぼ満点。中学2年生なのに、すでに高校の内容まで独学で進めていた。定期テストはほとんど勉強していないように見えたが、成績は学年トップクラスだった。

僕が彼に話しかけたのは、ひとつのニュースがきっかけだった。彼が「広中杯」という数学コンテストで受賞したと耳に入ってきた。ジュニア数学オリンピックのような立ち位置の、本物の数学好きだけが挑む大会だ。

気になって声をかけた。すると彼も、僕のことを知っていた。定期テストで学年トップの成績を取っていた僕を、彼もずっと意識していたらしい。「どんな勉強法をしているんだ」と逆に聞かれた。

二人とも数学が好きだった。問題を出し合い、勉強法を語り合ううちに、自然と仲良くなっていった。

そして、ある日彼が打ち明けた。

「実は、灘中を受けていた。2点差で落ちた」

僕にとって灘中は、雲の上の存在だった。そんな学校を受けていたという事実だけで、彼への尊敬はさらに深まった。


「一緒に受けないか」

しばらく経ったある日、彼がロイヤル英文法を開いているのが目に入った。高校生が使うような教材だ。なぜそんなものを、と思って聞いた。

彼はこっそり教えてくれた。

「実はこの中学をやめようと思っている。灘高を受けるつもりだ。お前も、気になるなら一緒に受けないか」

僕は驚いた。中高一貫校に入ったら、6年間同じ学校に通い続けるものだと思い込んでいた。途中で別の高校を受けるという選択肢が、この世に存在することすら知らなかった。

でも、確かに僕も不満を抱えていた。宿題が多すぎた。他律的に勉強を強制される学校の方針が、肌に合わなかった。自分で考えて、自分で進める勉強こそが僕のスタイルだったのに、その時間を学校の課題に奪われ続けていた。

灘高は「自由の楽園」だと聞いていた。

彼がそこまで執着する学校とは、いったいどんな場所なのか。僕は灘に関する本を読み漁った。近所に一学年上で灘に通っている子がいると知り、その家を訪ねて話を聞いた。聞けば聞くほど、引き込まれた。

気づいたら、灘高を受けることに決めていた。


夕食の食卓と、書店

夕食の席で、父と母にさらっと言った。「灘高、受けようと思う」

父は何でも賛成してくれる人だった。今回も例外ではなかった。母は真に受けていなかったようで、「面白そうだね」と笑って流した。

その後、母と大きな書店へ行った。灘高の過去問なんて置いていないだろうと思っていた。ところが、あった。

これは運命だ、と思った。迷わず買った。

家に帰って、すぐに解いた。数学と理科は、なんとかなりそうだった。しかし英語を開いた瞬間、手が止まった。

単語が読めない。文章の意味が取れない。時間が全く足りない。

当時、英語も学年トップだった。それでも、100点中8点だった。

これは高校入試ではない。大学入試だ。

震えた。でも、逃げようとは思わなかった。むしろ、これだけ高い壁があるなら、越えがいがある、と思った。


灘高再受験を考えているあなたへ

ここからは、僕と同じように灘高再受験を考えている人に伝えたいことを書く。知っておくべきことが5つある。

1. 40名という狭き門

灘高の外部入学枠は40名だ。実際には38名前後に落ち着くことが多い。灘中から内部進学するのが180名だから、その差は歴然だ。

ただし、倍率だけで判断してはいけない。灘中入試と灘高入試では、受験生の質がまるで違う。

灘中入試は、生まれつきの天才が多い。算数的思考が突出していたり、集中力がずば抜けていたりと、素質で戦っている子が多い。灘高入試は、帰国子女と恐ろしいほどの努力家が集まる。素質に加えて、圧倒的な努力が必要になる。

2. 英語は大学入試レベル

「灘中は算数」と言われるように、「灘高は英語」だ。

僕は過去問を解いて10点台を叩き出した。学年で英語トップだったのに、だ。これが現実だと思っておいてほしい。

帰国子女は英語で満点近くを取ってくる。国語で巻き返そうにも、灘高受験生は全員国語が得意だから差がつかない。英語の対策を最優先にすべきだ。

3. 受験生の多様性を知っておく

灘高受験生は、灘中不合格者だけではない。中学受験をしなかった公立中学の生徒も多数いる。中学に入ってから勉強に目覚め、独学で猛追してきた強者たちだ。あらゆる背景を持つ受験生が集まってくる。

4. 全力で努力すること

改めて書く。灘高受験生は、努力家の集まりだ。「なんとなく灘がいいな」では歯が立たない。「なにがなんでも灘に行く」という覚悟がなければ、土俵にすら立てない。

5. 同じ気持ちの人は必ずいる

灘中に届かなかった悔しさを、ずっと抱えている人がいる。人には言えず、ひとりで灘高の過去問を解いている人がいる。僕の友人がそうだったように、あなたの周りにも必ずいる。

そして実際に動いた人間だけが、灘高を受けられる。


最後に

あの日、書店で過去問を手に取ったときのことを、今でも鮮明に覚えている。

どうしても灘に行きたいと思った友人の背中を見て、僕は動いた。彼がいなければ、僕の灘高受験はなかった。東大もなかった。今の自分もなかった。

人生は、出会いで変わる。

そして、その出会いに飛び込めるかどうかで、さらに変わる。

灘高再受験を考えているあなたは、すでに動こうとしている。それだけで、十分すごいことだ。あとは、全力でやるだけだ。

あなたの合格を、心から願っている。

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この記事を書いた人

灘高・東大大学院。塾も予備校も使わず、独学だけで合格した。
数学オリンピック2回受賞。

灘受験・中学受験・きのくに。
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コメント

コメント一覧 (2件)

  • ガクさんこんにちは!僕は今中学3年生でもうすぐ卒業なんですけど偏差値30の高校に行くことになりました。僕は偏差値30の高校は嫌だと思い「浪人」をしたいと思いました。でも、もちろん家族からは反対されます。「高校が底辺でもそこで頑張って難関大学に合格すればいいやん」と言われました。僕は高校が決まってから「ガクさん」の母校、「灘高校」という学校を知りました。僕は偏差値30ですが、浪人をして灘高校に合格したい、行きたいと思いました。もちろんそれなりの覚悟を持って勉強に取り組みます。トイレ、睡眠、風呂以外は勉強。ゲームやテレビは使わない。これくらいの覚悟は持って勉強します。ガクさんの学心という塾は基礎から灘高校レベルまでっていけますかね?僕は勉強初心者なので、学心でガクさんの勉強の仕方、参考書の順番、使い方など教えていただけたら嬉しいです。一応、4月ぐらいから入塾しようと思っています。僕も灘合格のために限界を突き抜けるぐらい勉強するのでよろしくお願いします!

    • 3年耐えて大学か、1年遅らせて灘高か。

      私も灘への思い入れは強かったため、お気持ちはよくわかります。
      ただ、浪人してまで灘は珍しいですね。
      周りの方がおっしゃる通り、そのまま大学へ向けて突き進むのも良いと思いますよ。

      最後になりましたが、私の教室へいらっしゃるのは大歓迎です。学習状況や目標に関わらず、志があれば誰でも受け入れています。
      ご関心がありましたら、ぜひご一緒に楽しく学びましょう。

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