きのくに子どもの村学園のメリット7つ|元在籍者が本音で語る「日本一自由な学校」

私はきのくに子どもの村学園に通っていた。
転校を繰り返し、公立・私立・きのくにと複数の学校を経験してきた。だからこそ、きのくにを相対的に評価できる。「あの学校は特別だった」と、大人になった今でも思う。
この記事では、元在籍者の立場からきのくにのメリットを7つ紹介する。美化するつもりはない。デメリットも別記事に書いた。両方読んだ上で判断してほしい。
きのくに子どもの村学園とはどんな学校か
1992年、京都大学教育学部出身で元大阪市立大学教授の堀真一郎氏が和歌山県橋本市に創立した私立学校だ。イギリスのサマーヒルスクールをモデルにした、日本では極めて珍しいオルタナティブスクールである。
現在は和歌山(本校)・福井・山梨・福岡・長崎に系列校があり、小学校から高等専修学校まで一貫した教育を提供している。国内外の教育関係者やメディアから注目され続けている学校だ。
教育の柱は3つ——自己決定・個性化・体験学習だ。
計算ドリルも漢字ドリルも宿題もない。時間割の半分は「プロジェクト」と呼ばれる体験学習で占められている。子どもが自分でテーマを選び、作り、調べ、発表する。それがきのくにの日常だ。
転入したきっかけ
父が書店で一冊の本を手に取ったことがすべての始まりだった。学園長・堀真一郎氏の著書だ。父はその教育哲学に強く共感し、すぐさま転入を検討した。
一方、母は現実的だった。学費がまかなえない。一人息子が手元からいなくなる——。実際、転入した年は収入より支出が上回り、祖父母の助けを借りた。それでも転入した。有り余るメリットがあると判断したからだ。
メリット① 本物の体験学習
教科書で学ぶのではない。
山から粘土を取ってきてゼロからかまどを作る。地域のおばあちゃんから郷土料理を教わる。築100年の古民家で寝泊まりする。火をくべてお風呂を沸かす。めはり寿司をアレンジしてオリジナル商品を作る——。
これは「生きた学習」だ。教科書では絶対に得られない。毎日が遠足のような、いや修学旅行のような日々だった。マイクロバスや先生の車であちこちに出かけ、人生の大先輩から直接話を聞く。その体験は今でも鮮明に覚えている。
メリット② 先生と子どもが対等
「○○先生」と呼ばない。
全員ニックネームで呼び合う。河本先生なら「かわちん」だ。名前だけでは誰が先生で誰が児童かわからないくらい、対等な関係が築かれている。
先生も子どもも一緒に学ぶ。その姿勢が好きだった。本名は忘れてしまったが、ニックネームだけは今でも覚えている。それくらい、人として記憶に残っている。
メリット③ 子どもも保護者も気さくな人が多い
きのくにに通う家庭には、共通した空気がある。
自然が好きで、教育に関心があり、子どもを一人の人間として尊重している。そういう価値観を持つ保護者が集まっているから、家庭同士の交流も自然と深くなる。
私は毎週金曜の夕方に帰宅していたが、父は仕事、母は運転免許なしという状況だった。そこで友人のお母さんが車の送迎や電車の付き添いを申し出てくれた。親はそれに何度も感激していた。子どもだけでなく、保護者にとっても得るものが多い学校だ。
メリット④ いじめ・学級崩壊とほぼ無縁
ちょっとしたいたずらはある。そういうときはミーティングを開き、先生と子どもが一緒に問題を話し合う。議長を決め、原因を追究し、解決策を出す。子どもが主体となって問題を解決する仕組みだ。
いじめや学級崩壊の根っこには、家庭や子どものストレスがある。きのくには、その構造そのものが違う。子どもが自己決定できる環境にいると、ストレスの向かう先が変わる。少なくとも私がいた間、深刻ないじめは存在しなかった。
口コミサイトでも「他校で問題になるようなレベルのいじめはない」「暴力をこの学校は非常に嫌う」という声が複数見られる。
メリット⑤ 自己決定の習慣が身につく
きのくには、自分で決める場面が驚くほど多い。
どのプロジェクトに参加するか。どのクラスに入るか。学校のルールをどう決めるか——。クラスミーティング、寮のミーティング、全校集会と、話し合いの機会が絶えない。
これは単なる「子ども扱いしない」ということではない。自己決定の経験を積み重ねることで、判断力と責任感が自然に育つ。この感覚は、その後の学校生活でも、社会に出てからも、確実に生きてくる。
メリット⑥ 学費は経験価値として十分ペイできる
費用は正直に言うと高い。入学金・授業料・寮費を合わせると、年間で相当な額になる。具体的な金額は学園に問い合わせてほしい(公式サイトには掲載されていない)。
ただ、金銭的なリターンで考えると損をする。そういう計算をする学校ではない。経験価値として考えたとき、あれだけ濃い時間を過ごせる場所は他にない。私はそう思っている。
メリット⑦ 幼少期の本物の体験が一生の財産になる
自然の中での体験、人との関わり、自分で決めた記憶——。これらは年月を経るほど、価値を増す。
人生に迷ったとき、自信を失いそうなとき、幼少期の本物の体験が自分を支えてくれる。格好つけて言っているわけではない。実際にそう感じている。あの半年がなければ、私は今とは違う人間になっていたと思う。
最後に:メリットだけ見て決めないでほしい
7つのメリットを並べてきたが、これだけで判断しないでほしい。
きのくには万人向けの学校ではない。合う子どもと合わない子どもがいる。合う家庭と合わない家庭がいる。デメリットを正直に書いた別記事も必ず読んでほしい。両方読んだ上で、納得して決断してほしい。
それでは。
きのくに子どもの村学園についてもっと知りたい方はこちらから。






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